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「現状分析と対抗戦略」討論欄

「自公政権崩壊」が見えてきた! その2

2008/1/26 人文学徒

1 自公必死の工作と、民主態度の予測
 この問題では今後も、自公必死の工作が、民主の態度変更に 望みを懸けて行われていくだろう。ねじれ国会では、今後5年 以上もこれと同じような不安材料が続発すると予想されるから である。自民党や官僚にそれだけ脛の傷が多いということだ。
 例えば、25日の毎日新聞1面に「トラック協会への都道府 県補助金疑惑」が載った。ガソリン暫定税と同じ軽油暫定税( 地方税)からの補助で莫大な基金をプールしている同協会をめ ぐる疑惑だ。「自民党トラック輸送振興議員連盟(古賀誠会長 )」にこの金の一部を献金し続けているという問題であり、そ して例によって、このトラック協会トップには旧運輸省など天 下り組がぞろぞろという問題である。
 本日26日毎日新聞1面トップがまた、こういう記事だ。「 全通連も67億円プール」
 これもまた、軽油引取税の暫定税率絡みのものである。
 さらに2面に「国交省道路財源で宿舎建設」。問題の道路特 定財源で、毎年50~60戸の宿舎新設なのだそうだ。今でも 1万175人の国交省職員に8095戸が確保されているとい う。

 こんな巨悪ぞろぞろの中では、「税率の大幅値下げでどうか ?」の折衷案も民主に打診されるかも知れないだけでなく、再 度の大連立提案で首相を譲るほどの自民大譲歩案すらも陰であ りうるかも知れない。しかし「これで政権奪取へ」と動き出し た民主にはもう、何も聞き入れられないだろう。何も今、自民 積年の傷を自分が抱え直さなくとも、これを攻撃していれば政 権は手に入ってくるのだから。
 民主が割れているとか新聞で報道されているが、こんな宣伝 、今はほとんど嘘だ。自民も同じ程度に割れているのだから。 朝日新聞の全都道府県自民幹事長調査によれば、暫定税率自民 案に反対が宮城と新潟と2人あった。民心への不安、恐れおの のきがそれだけ強いということである。

2 これからまず衆院で、民主はあっさりとは引き下がらず、 十分審議しようとするだろう。ここで「即採択」など「昔のよ うな拙速」を自民が犯すというようなことはできない。これだ けの大問題続出を前にして自民には今、「人」がいないし、決 断力もない。ずるずると負けていくだけのように見える。伊吹 、福田の情けない発言を見よといいたい。
 参院60日審議で、民主党の攻め、自公政権の応答、マスコ ミの扱い、他野党の態度などなどから、国民の中に暫定税問題 の本質がどんどん深まっていくだろう。野党には是非協調を望 みたい。特に共産党に言いたい。「例によって『自己満足的正 義面』をするな」と。これは今や、多分に内部引き締めの要素 のみが強いのだろうと、僕は見ているが。財政がパンク状態に 近いのではないか。
 マスコミについてだが、この間自民の肩を持って「財源問題 」に矮小化する記事だけのような新聞などは、今後もう取るこ とを絶対に止めようではないか。民主藤井税調会長はこういっ ている。「この法案撤廃はガソリン値下げが目的ではない」、 だから「妥協は堕落だという気持ちでやっていきたい」と。マ スコミなどには、こういう水準にかみ合った扱いを望みたい。

3 別の暫定減税案などの他法案も抱き合わせにして一括審議 にかけてきたという問題は、自民がやったことだと、よーく覚 えておこう。そこから起こる混乱も全く民主の責任ではなく、 悪辣な自民の責任だということである。民主は諸法案分離を主 張したのだから。

4 さて、それで4月のどこかで「衆院3分の2再議決」以降 は、こういう問題を自民が強行したと、国民に分かる。その上 で野党は今度こそ首相問責決議案を出し、参院では可決される だろう。
 それで衆院解散なら、ガソリン税問題本質の国民への浸透度 にもよるが、自民は負ける公算大だ。解散しないなら、「最新 の参院選結果への民意無視」が改めてマスコミに喧伝されるの みか、以下のことが待っている。

5 ねじれ国会のこういう威力はまだまだ最低5年は続いてい く。テロ特措法、道路特定財源暫定税率関連法に示されたよう な、「強権政府積年の脛の傷が表面化」、「それを参院『否決 』、世論化」という形で。そしてそこに向けては、伝家の宝刀 「参院多数派による官僚不祥事などへの強制的国政調査権発動 」の威力が連発されていくだろう。内部告発もあって「薬害肝 炎書類発見」、「トラック協会疑惑」のようなのがどんどん出 てくるに違いない。だから、総選挙が来年になっても、自民は 負けるのである。

 こうして、いずれにせよ自民は終わりである。実質官僚の手 の中で、自民、業界が連んで酷いことをやりすぎたということ だ。
 そして、参院野党多数の威力を国民が知ったということだ。