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「現状分析と対抗戦略」討論欄

品薄の乳製品・・8年前は乳価暴落騒ぎ・・国の呆れた無戦略

2008/6/13 さとうしゅういち 30代 サラリードパーソン(連合組合員、社会市民連合、民主党員)

 最近、乳製品の不足が叫ばれています。「バターが消える」などなど、新聞で報道されています。

 ところで、みなさん。覚えておいででしょうか?

 つい8年前には「乳価暴落」が問題になっていたのです。「水より安い牛乳」と言われていた時期があったのです。

 ところが、どのマスコミもそのことをきちんと取り上げていません。私は最近、それが不思議で仕方がありませんでした。

http://www.nouminren.ne.jp/dat/200011/2000112704.htm

 上記の記事によれば、悲鳴を上げている農民たちを、農水省は 切り捨てたそうです。

 しかし、今や、世界的な食糧価格の高騰が叫ばれています。 チーズを中心に、乳製品の品薄が叫ばれているのです。もちろ ん、厳密に言えば、チーズ用の牛乳と、飲料用の牛乳は需給体 系は「短期的」には違うし、後者は少子化の影響で需要が減る といわれています。しかし、前者は中国の需要増で、かなり需 給が逼迫している。ですから、長期的には、両者を合成すると 、需給が逼迫してくるでしょう。

 さて、牛が誕生してから牛乳をとれるようになるまで大体、三年掛かります。

 2006年ごろから、最大の酪農地・北海道では、増産体制 に転じています。したがって、本格的に生産が増えてくるのは 、2009年ころになると思います。

 食料と言うのは「短期には、生産を増やせない」という側面 があります。

 酪農なら牛が育つまで時間がかかるし、穀物なら土づくりか らスタートしないといけません。

 そのことを無視して、2000年ごろ、酪農家を苦しめ、減 産に追い込んだ政府の対応は大問題だと思います。

 官僚たちは優秀ではあるのでしょうが、現場は知らないのか 。また、政治家たちも地方選出であっても、2世・3世、東京 育ちで、地元にあまり帰らないから、あまりその辺の感覚がな かったのか。このように毒づきたくなります。

 いまこそ、目先の価格変動に右往左往せず、長いスパンを見 据え、ある程度は安定した供給力を保つような政策が必要なの ではないでしょうか?