原仙作さんの4月4日付け「小沢続投論は敵の”折り紙付き”だ。共産党は惨敗の危機にある」は、現在の世界的経済危機、千載一遇の日本政治情勢によく合っていて、かつ実に周到な文章であると感心しました。この10分の1でもJCPに現実を動かしうる政策能力というものがあればなーと、いつものように嘆いてしまったという次第。
これに比べたらJCP指導部のやっていることは、いかにもこんな風に見えるもの。
「(部分的に)正しいこと」、「相手の誤り」を「ただ喋っているだけ」。そうしていさえすれば票が増え、やがて政権が転がり込んでくるとでもいうような。あるいは、自分らの出番が必ず来るという客観主義よろしく、ただ待っているだけというような。自分らを現実に大きくする主体的な政治的振る舞い方というものをまるで考えたことがないような。実に左翼小児病でもあることよ。
小沢問題の次のとらえ方は僕も全く一緒です。そして、この文中にある、官僚とマスコミの今回の重大な役割、構えをどう理解するかについてなどは、今実に重要な認識だと思いますね。
「だから、今回の小沢秘書逮捕事件は民主党が新政権につき、国民の求める政策を実行するためには避けて通れない試練なのである。マスコミに影響された世論を変えることで逆に堅い支持に打ち固めることができた場合にだけ、この試練を突破できるのであり、その場合にだけ、官僚機構はさしあたり白旗を掲げて新政権の進駐に城門を開けるのである。」
今回の小沢問題の震源地は官僚なのだと、僕も思っていました。そして、事前に十分にマスコミにレクチャーしておいたはず。そうでなければ辻褄の合わないことだらけです。官僚の脅し文句がこれね。「この世界大恐慌の真っ最中に、何が政権交代か。重大な経済対策も対米関係もすべて、我々が仕切らなければ大変なことになる」
全体の要約のような最後のこの部分も、本当に説得力があると思いました。これが、現在の日本共産党指導部の本当の立場だということは、よく分かります。
「不破や志位らの唯一の願いは、今では民主党が国策捜査で内紛を惹起し分裂・解体の状況に陥り、政権交代が吹っ飛ぶことであろう。
政権交代の起こらないことがjcpの利益にかなうという不幸な身の上にjcpを引き連れていったのは不破や志位の責任である。せいぜい、小沢の金権政治と騒いで党と自分らの墓穴を掘ることである。言い訳のできないjcpの惨状を作り出すことが不破や志位らの党指導者としての最後の役割である。」