先週、樹々の緑氏が書いた論文のなかで、私について述べていらっしゃったので、要点のみ簡潔に記したい。
私は、都議選において、民主党への大量得票が共産党の議席のかなりの減へとなっているから、衆議院選では比例区では共産党や社民党への投票が有効な投票行動となると考えている。
このもとになる見解は、市民団体「平和への結集をめざす市民の風」の太田光征氏の論文である。
ここで、「平和への結集をめざす市民の風」について紹介しておきたい。略称「平和の風」は、別に比例区は共産・社民へ、選挙区は民主へと主張しているわけではない。この団体に、私は発足以来賛助者として加わってきたが、「平和の風」の最大の眼目は、平和と護憲の立場にたつさまざまな政治勢力の共同候補を擁立することで、巨大化した自民・公明・民主などの改憲勢力に、共同して統一した力をさまざまな政治の局面で築いていこうとする要旨である。
そのなにかでも、太田氏は、早くから民主党の内の護憲勢力とともに、護憲政党とのバランスを、選挙区では野党第一党の民主党に、比例区では共産党や社民党へと棲み分けを唱えてきた。私も最近は共感している。
樹々の緑氏がご批判された都議選の分析で言うと、私が紹介した文章中のアドレスをクイックすると、どれだけ都議選の各地区で、トップで当選した民主党に比して日本共産党が、そのあおりをくらって次点に数多くいてもし、民主党に入った投票が他の政党に多少でも移動した場合に、共産党の現職や新人が最も多く当選圏内に入ってくるかがわかる。
http://kaze.fm/wordpress/?p=274
都民の声の多くは確かに、樹々の緑氏がおっしゃるとおり、政治の現状を変革することを民主党に託すことにあったと言えよう。それでも、投票行動を結果として分析してみると、民主党の圧倒的増加は、自民党よりも共産党を多く減らすこととなったという事実である。
私は、共産党員として活動しているわけではない「傍観者」だが、政治に対しての傍観者、ではない。私なりの限界の多いけれども、自分ができる範囲内でできるやり方の政治的行動を行ってきた。日本共産党に対して、このさざ波通信での指摘されているように、問題点や矛盾については同感することが多い。
だが、迫っている衆院選において、政党の現状から言えば、やはり次善三善の選択として共産党を最も強く支持したいと考える。
「平和の風」がめざす、護憲平和共同候補擁立の企図が現実化し、今後に、国民的統一戦線がなんらかのかたちで結成され、それがたとえば過去のイタリアの「オリーブの樹」や、ヨーロッパや中南米の左翼政権獲得のための政治団体のような現実の形となることを期待している。
それにいたるまでは、国民の鬱積するくらしといのちへの抑圧からの解放を求める実際の声を最重視したい。都議選の分析と、比例区に関わる太田氏のご見解の紹介とそれを称揚する私の考えは以上のようなところにある。
以後、私へのご批判ご意見への返答は、種々の政治的課題との連関に即して返答させていただく。そのほうが実際的具体的事例に即した意見となると考えるからである。なお、実践の場で現実的に誠実な闘争を展開されている樹々の緑氏のご健闘を期待してやまない。