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「現状分析と対抗戦略」討論欄

自民党のネガティブ・キャンペーン

2009/8/22 千坂 史郎

 きょう家のポストに自民党が配布した宣伝のためのパンフレットが入っていた。表紙には、『知ってドッキリ 民主党 これが本性だ!!民主党には秘密の計画がある!!民主党にだまされるな!』と書いてある。
 概要を見出しを中心に書き出そう。

第1章  民主党と労働組合の革命計画
○「教育は“現場の判断”」の罠
民主党INDEX2009(抜粋)として
学習指導要領の大綱化をあげ、「ここがコワイ!!」として、民主党の教育政策は、日教組の主張そのみのです、としている。
民主党の教育政策は、愛国心のない国をつくり、社会主義化しようとする日教組の主張を推し進めることだと非難している。
○「子ども手当」支給の罠
民主党マニフェスト抜粋として子ども手当創設と農山漁村再生の個別所得保障制度をあげている。「ここがコワイ!!」として、これらの支給は担当の自治体公務員を増やすことにつながり、公務員を増やせば、労働組合の勢力を拡大させ、勤務時間内の違法な組合活動や政治活動が横行する、としている。そしてそのことが、労働組合が自分たちの思惑通りに進めるための革命計画に、民主党は加担しているとしている。

第2章  日教組 教育偏向計画
○「学校理事会」の罠
○「教員免許更新制度」見直しの罠
この章でも、民主党と日教組とをやり玉にあげて、民主党は日本人の誇りを失わせ、学校を政治闘争の場にしようとしていると決めつけている。

第3章  日本人尊厳喪失進行中
○「対等な日米関係」の罠
○歴史、伝統、国益にかかわる「取り組み」の罠
民主党は、靖国神社、従軍慰安婦、戦争責任にまつわる問題について我が国を貶める国家観、歴史観を民主党の主張のいたるところで押しつけている、としている。

 ここまで自民党が、政策論争どころか民主党への誹謗中傷とデマ攻撃をくりだしていることに、驚きを禁じ得ない。投票日までまだ1週間もある現在で、このようなネガティブ・キャンペーンに入りかけている。
 今回の総選挙でも、マニフェストが精巧な数値を競っているけれども、日本をどのような国家として世界平和秩序に位置づけるかはおそまつな情勢の中でこのように貧弱なデマ攻撃しか行い得ない政権与党のパンフレットに情けない思いがする。
 そして、自由民主党がこのようななりふり構わない攻撃をせざるを得ないと思わせている選挙闘争の実態は、今回の政権交代は自民党にとって危機的な所まで意識させられているものと感ぜられる。
 総選挙において、市民団体「平和の風」は民主党に、総選挙比例区における80議席削減というマニフェストの見直しを公開で要請した。自民党はもちろん新党日本までもが、総選挙比例区の削減をマニフェストに掲げいる中、日本共産党は比例区削減を否定している。総選挙では、自公政権与党を破り、民主党中心の政権を樹立すべきである。社民党、国民新党は連立政権の用意があるとし、共産党は「建設的野党」の宣言をしている。
 民主党の政党内部の諸矛盾はあきらかであるけれども、日本社会を中曽根政権以来解体の準備を進め、小泉政権によって「日本社会解体」を徹底させた自民党の中心の政権ほど酷くはない。
 総選挙選挙区は、民主党と護憲勢力へ、比例区は共産党と社民党に投票するなら、日本は再生の端緒をつかむであろう。