革新統一戦線、革新懇など日本共産党がからむ統一戦線は、いままでも実践されて きた。私はそれらに賛成する立場である。 だが、今の政治的実情は、日本共産党、 社民党をあわせても国会で占める議席は国会の三分の二どころか一割にも達するであ ろうか。正確に調べないと数値はわからないが、革新メガロポリスが全国の自治体を 覆ったあの1970年代に比べても情けなくなるほどの後退につぐ後退を更新してい る。社民党は連立政権に参加して、一定の政策的アピールを実行しているが、村山連 立政権時の安保容認、自衛隊合憲と次々に支配勢力に歩みより続けた誤りを危惧され ている。その足下を見て、社民党を切り捨てていこいうとする民主党内の右翼的潮流 もある。
しかし、民主党連立政権が自公政権から政権交代した今、新たな課題が考えられ る。鳩山内閣は、アメリカから要求されている沖縄米軍基地の移転反対の強硬な要求 に簡単に頷いてはいない。それをどう判断するかは、見解がわかれているが、小沢幹 事長の中国訪問などをあわせて考えると、そこにはかつての自公政権のような売国政 権とは異なる戦略がみえる。けれどマスコミの一斉砲火と東京地検の鳩山・小沢の政 治献金強制捜査の動きとをあわせて浴びて、鳩山政権は場合によっては2010年の 早期に辞職や崩壊のおそれが出てきた。もし、民主党鳩山政権にアジアとの連携によ る新たな外交的戦略があって、対米従属を見直す意図があるなら、アメリカとの軍事 同盟にわかれを告げて、日本の平和的国家再建設のために、広範な統一戦線が構築さ れる時期にきている。
経済におけるアメリカ企業の無軌道な日本市場への侵略的進出は、限度を超えてい る。さらにアメリカ軍隊の無法な際限なき横暴も、驚くほどの要求を突きつけてき た。アメリカとの軍事同盟が見直され、日本の国内産業の保護と米軍基地の撤去ないしは 縮小が実現されれば、日本の窮地はかなり救われる。
日本はアメリカと平等の友好条約を締結して、日米安保条約を廃棄通告すべき段階 にある。核兵器の核の傘に守られているなどという軍事論は驚くべき時代錯誤であ る。核兵器を廃絶するというアメリカン・トップのオバマ大統領のアピールが真摯な ものであり、本音からでているなら、オバマはそれを受け入れるであろう。
かくのごとき政策を実現する国民統一戦線は、保守層も革新層もなく、全国民的な 救国の課題として一致して結成されるたいせつな試みと考えるがどうであろうか。は たしてそれは可能か。私たち国民の努力いかんにかかっている。