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「現状分析と対抗戦略」討論欄

櫻井智志さんの「原発除染のイカサマと根底の政治的課題」への異論

2012/3/9 さつき

櫻井智志さん、お久しぶりです。私も、引用された田島さんのブログは、いつも 参考にさせていただいておりますが、この度の「除染のイカサマ論」には異論が あります。
私は、放射能で汚染された地域に留まるか、そこから離れて移住するかの住民の 選択は尊重されるべきだと考えています。下記のtoriiyoshikiさんと同意見で す。
http://toriiyoshiki.blogspot.com/2012/02/toriiyoshiki.html 櫻井さんもまた、「避難を住民の意思にゆだねることを赦さない政府」との表現 で、現在の政府の対応を批判しつつ、住民の自由意志を尊重せよと主張さている ようです。そのことは、政府が避難を推奨していない地区からも移住を決断した 住民が現に多数いて、そうした住民に対する補償がなされないことへの批判とし て、私も考えを共にするものです。
いずれの選択をするにせよ、大きな困難・リスクを伴うものであるには違いな く、そしてまた、理不尽にも強いられた選択である訳ですから、政府も、そして 私たちも、余力のある者は分け隔て無くサポートすべきです。だからこそ、現に 汚染地域に住み続けるという選択をした住民がいる限り、彼らをも全力をあげて サポートすべきなのです。その前提で、二点疑問があります。
1)何もしなくても汚染量が相当減るものなら、除染の目標をもっと上げろと主 張すべきなのではないでしょうか?
2)「除染利権」とは具体的にどのようなことでしょうか? 除染事業で儲かる ところがあるのは、けしからんということでしょうか? ボランティアだけでで きる訳でもないでしょうに。
除染の戦略は、ある地域の、ベクレルで表現される平均的な汚染濃度を一定割合 下げるというふうに考えるべきではなく、日常生活でおこる被曝線量を一定割合 下げるという目標に照らして構築されるべきものです。
私は、現在の汚染状況は、初期の比較的均質なフォールアウトの状況から、偏在 化(遍在化ではない)へ向かい、あちこちに高濃度のマイクロスポットが形成さ れているのが特徴で、居住地におけるそうした高リスク要因を取り除くだけで、 住民の被曝線量を相当程度下げることができると考えています。
なお、国際政治の大状況など書かれていますが、現下の除染の是非となんら関係 のないことです。「ヒロシマ・ナガサキにつぐ第三の核被爆」というのも、失礼 ながら、大変な認識不足だと思います。