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「現状分析と対抗戦略」討論欄

田村さんへ

2012/7/14 原仙作

田村さん、こんにちは
 私の投稿が田村さん達の議論で多少のお役に立てたことを喜んでいます。私の投稿をツイッターで紹介してくれた件は、むしろ、私の方からお礼を言うべきところです。

 このところの政治の動きを見ていて感じたところを少々の体験と合わせて二つほど書いてみます。
 一つは官邸前のデモについてです。私はさきに書いた二つの投稿でそのデモを「60年安保以来のもの」だと言いましたが、そのように書いたのは誇張ではありません。私が政治に目覚めたのは60年代末で、以来、40年以上、いろいろな形で政治に関わってきましたが、全共闘運動華やかなりし時代においても、ついにあの官邸前のデモのような大衆の示威行動をみることはありませんでしたし、そうしたデモをつくり出すことは誰にもできませんでした。
 その質、規模ともに驚嘆すべきものがあります。一人一人の個々人が自らの意思でデモに駆けつけ、参加した者同士が共感と連帯感を分かち合い、相互にお互いの行動を励まし、おのれ自身も多数の参加者の姿に感動し自分の行動に自信と確信をもつ、というようなことが10万人という規模で起きています。

 全共闘運動の全盛期にあっても、日大全共闘の1万人規模の全学集会とか、全共闘の諸党派が東大の安田講堂前に集まって各々の勢力を誇示し合った時でさえ、安田講堂前の広場を埋められた程度、その他の共産党や社会党の集会・デモでは数万人規模のものはありましたが、いずれも組織動員が主体で、市民個々人の自主的な参加が主体となったデモが10万人単位で連続するというようなことはありませんでした。

 この示威行動は大きくなるにつれて主催者側の思惑の違いやお決まりのゴタゴタも生まれてきますが、参加数の起伏や様々な困難を越えて独自に発展していく内実をすでに持ち始めています。政権側もようやく危機感を持ち始め、様々な妨害活動も活発になってきていますが、このデモが60年安保闘争(最盛時33万)を越えて、仮に50万、100万人規模のものを出現させることになれば、政界を震撼させ日本の政治史に一大エポックを画することになり、政策を軸とする政界再編が、あらゆる政治家の思惑をも凌駕して一挙に進行することになるでしょう。
 国民の決起する広範な示威行動のコアが育ちはじめており、私もできるかぎり、機会を作っては参加したいと思っています。

 もうひとつのことは、小沢新党に関連することです。ある機会があって東北へ行ってきました。そこは震災の被害も原発の被害もそれほど深刻な影響がないところでしたが、やはり、小沢=悪党論というマスコミの「刷り込み」の影響が強く残っていることが感じられました。消費税の増税には反対でありながら、小沢新党の結成を派閥・利権争いか小沢のエゴのように見る傾向が特に高齢者に根強く残っています。おそらくは、情報源が新聞かテレビに限られているからでしょう。
 小沢新党の船出はよいタイミングであったと言えると思いますが、問題はこの「刷り込み」を払拭する手だてをよくよく考えてみなければならないでしょう。 たとえば、新党の議員たちが国会質問に立つようになりましたが、時間がないせいか、まだまだ議員個々人の才覚・努力だけに頼っているようです。テレビのライトを浴びる場所はどん欲に利用して、国民の関心に沿うわかりやすく本質的な議論を工夫して新党のアピールをする必要があります。サポーターの皆さんも質問する議員にアイデアを提供するなど、いろいろなアシストをする工夫があってもいいのではないでしょうか。
 また、広範な選挙区に消費税増税反対派の選択肢を提供することが非常に重要になっていますから、現職議員のいないところではサポーターが積極的に新党の後援会を作り、さらには地域の候補者を捜して新党に紹介するなどの運動も必要ではないでしょうか。「出たい人より、出したい人」を発掘する作業も画期的な意味を持つことになるように思います。
 田村さんたちの健闘を祈ります。