原さんの『丸さんへの回答』を読んで、それまで長文の丸さんの9/1付投稿文
を読んでなかったので、それが”原さん批判”だったということで改めて読みまし
た。
正直、僕には丸さんの論旨が中々解りにくかったのですが、僕が提起した≪この
国の権力(腐敗)構造≫についての
やり取りは原さんの回答文で上手くまとめてくれたので、争点のポイントが大体
解りました。
この国の実態権力がどこにあるか、またそれは、背後にある米国の影を指摘する
孫崎亨氏(元外交官)が脚光を浴
びているのと軌を一にする沖縄県民の怒り(昨日の「オスプレイ反対集会」は
10万人以上の戦後最高の参加者と
か)の歴史と共に、戦後日本の政治的自立の欠如と国民の不幸とがあると思いま
す。原さんの考えとほとんど同じ
です。
そこで僕は、丸さんの「脱原発運動」論に若干、異論をはさみたい。
<それは「右も左も無い」のではなく、「右からも左からも、右で も左でもないところからも、いたるところから脱原発・再稼動反対の声が沸き起 こっている>
と言いますが、それは単なる”言葉の表現”の問題で、原発だけでなく、 TPP(同様にACTA)も食(農産物 等)や関税等「右も左も関係なく」”国益”の問題と言えないでしょうか?(実 際、おバカな「在特会」ネトウヨ はともかく、新右翼と言われる「一水会」系?は原発もTPPも”右からの反対 デモ”をズーッとやっています。 )
<従来からの安全性やエコロジーの立場からの脱原発論だけでな く、経済合理性や新自由主義的立場からも原発の非合理性の告発、脱原発・再稼 動反対の声は起こっています。あるいは軍事や安全保障論の観点からさえ、脱原 発・・・・・そうした多様性が今日の脱原発・再稼動反対の世論と運動に、かつ てない広がりと同時に“強さ”をももたらしている>
<あるいは即時脱原発論の立場にしろ、当面の再稼動には反対という立場にし ろ・・・・・両者は脱原発・再稼動阻止の実現・実行時においても並列的に共 存・共同可能>
<最も特筆すべきは、脱原発・再稼動阻止それ自体が原発への不安や批判、原発 の問題点や弊害、リスクについての解決・軽減である、ということです。これは 政治課題としての原発問題の大きな特徴>
ということですが、「政治課題としての原発問題」は今や”深刻なほど”「並列的 に共存・共同可能」な訳では全 くなく、脱(反・禁)原発派(主に社民、共産。それに平安、生活などの7党 派?)と脱原発依存派(主に民主。 公明?、自民?)に別れ、それは「原子力規制委員会人事(田中俊一委員長) 案」の賛否に鋭く出ています、それ は原発稼動を前提とする原子力ムラ・財界・米国の思惑が見えているからです。
そして、本質的な原発問題は、核(兵器や放射能等)廃絶・平和への問題であ
り、京都大の小出裕章助教が激しく
問うように「放射能の無毒化できない技術の現状」「何世代にも渡る廃棄物地下
処理=今の人類が生存してるかも
分らない」「子供や若い女性への内部被爆の恐怖」という人間主義のモラルその
ものです。なおかつ、脱原発運動
の広がりと執拗な抗議行動を支えてるのは、10年来続く閉塞状況に何も為し得
ない既存政党に不満持つ若者達と
、子供を持つ若い母親や生命を産み出す女性たちの被爆環境に対する危機感が、
さまざまな怒りとなっているのだ
と思うのです。
《昨日の「アキバ前ACTA抗議小集会」は、たまたま通りがかりの若者たち”理屈は
どうでも、このクソみたいな社
会(世界)を変えたい!それを言いたいだけだ””ネットを守れ””自由を守れ”と
アピールする人が次々登場す
るさまには、責任ある高齢者として申し訳ない気持ちで胸が熱くなるのだ。 ※
注。共産党参議員は全員「賛成」
したのですよね。》
【補記】
僕は今年春先だったか、加藤哲郎(早大教授)氏の『日本マルクス主義から、な
ぜ高木仁三郎・小出裕章が生まれ
なかったのか』という講演を聴いて、戦後日本の核研究科学者達の果たした功罪
の役割を知って、遅ればせながら
、衝撃を受けました。「武谷三男」という名は20代の新左翼系活動家の時に
知っていましたが、原発と結びつい
たイメージはなくシンパシーを持てる科学者として新書を買ってちょっと読んだ
記憶さえあります。従って、反原
爆で広島集会等行きましたが、反原発行動の記憶はありません。武谷氏の初期の
業績は、加藤講演では否定的役割
として日本左翼を「原子力の平和利用」として”原発擁護”に染めていったこと。
そして後、公害訴訟等で活躍し
た水戸巌(トロッキスト?)氏から影響うけたと言う小出裕章氏の反原発への開
眼・・・
◆日本マルクス主義はなぜ「原子力」にあこがれたのか(ウェブ版) ※僕が参加
した講演会と同様なレジュメ
http://members.jcom.home.ne.jp/katote/marxatom.pdf
◆孫崎享が明かす「戦後史の正体」 2012/08/12 (※眼から鱗の話)
http://www.youtube.com/watch?v=zZpQo1FSrUo&feature=related