脱原発運動は、大衆運動の一つであり、革命運動ないしは政治変革運動ではな
い。
被害の深刻さと緊急性ゆえに生じているものである。
政治や当面の選挙のための利用として扱われることになってはならない。その固
有の目的と行動が認められ固有の運動として擁護されなければならない。これ
は、原水爆禁止運動等の苦い歴史からの教訓としていえることである。
それについては、かつてはともかく、今、日本共産党のとっている行動は基本正
しいように思われる。
ただ、脱原発運動の中から、それを阻んでいる現実のしくみに気がつき、し くみ自体の変革の必要にたどりつく 人々は出てくる。それは、脱原発運動自体とは区別して評価しなければならな い。それは、革命運動ないしは政治 変革運動の芽と理解するべきものである。大切に育てなければならない。
革命運動ないしは政治変革運動は、目前の選挙の戦略とは区別して論ずべき ものだが、今のところ、両者を区別 して論ずる段階ではないように思われる。前者は、政治過程の分析からだけ論じ てはならないものだが、それを論 ずるための基盤がまだ目に見えていない。