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「現状分析と対抗戦略」討論欄

脱原発を実現する市民の会の要望書

2012/12/7 櫻井智志

 私の知人が属する「脱原発を実現する市民の会」は、脱原発の各政党に要望書を提出した。以下に示す文書がその全文である。

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          要望書          2012.11.26
   脱原発をめざす各党のみなさまへ
    脱原発を実現する市民の会

 わたしたちは、脱原発の実現をめざす一市民の集まりです。去年の3.11東北大震災と原発事故は、日本だけでなく世界をも震撼させ、福島原発はいまだ収束せず危険をともなったまま汚染が続いています。
 原発の安全神話にすっかりだまされた私たちは、今大変なツケを払わされています。放射能被曝による子どもたちの将来の健康の不安、安心して住める故郷をなくした福島の人たちの懊悩と苦難、そして震災の瓦礫焼却は全国に放射能をまき散らしています。この責任は一体どこにあるのでしょうか。いまだに責任をとらぬままの政府・検察・司法のあり方に国民の多くは疑問を感じています。

 わたしたちは、市民に対する3.11以後の政府の隠蔽とだましの対応に、怒り心頭に発しています。そして只今国民の7割はもう原発はいらないと思っているのに、国会議員の過半数は原発推進です。これでは主権在民とはいえません。選挙制度に大いに問題があると思います。候補に立つにもあまりに高い供託金は、まさに制限選挙であり憲法違反といえましょう。

 今回の選挙はまさに脱原発を問う選挙です。そして脱原発を実現するためには、自民党の作った、国策で原発推進をする「原子力基本法」をなくさねばなりません。それには、今国会での懸案事項の「脱原発基本法」を成立させれば、この国の脱原発への舵の切り替えができるのです。そのためにも今回の選挙で、なんとしても、脱原発の議員が国会の過半数(241議席以上)を占めるようにせねばなりません。

 どうぞ脱原発をのぞむ各党のみなさま方には、野党共闘の選挙協力をしていただき、各々の地方区で一人の脱原発統一候補にしぼる話し合いの努力をしていただきたいと存じます。このたびの東京都知事の宇都宮さんの擁立でも、脱原発の各党は協力してくださいました。議員さん方は、わたしたち市民の幸せを叶えるためにご活躍いただいていると信じております。どうぞ、日本が現実に脱原発に向かうよう全力を尽くしていただきたいと、わたしたちは心から願っています。
 先日も脱原発の政党間で国民連合が結成され、それらの党は選挙区の調整をするとありました。どうぞ、その調整に日本共産党も是非参加なさってくださいませ。日本共産党が脱原発統一候補の取り組みにご参加いただければ 百人力となります。そして、原発推進派が競合しあっている所に、脱原発統一候補の受け皿が一つであれば、その当選の可能性は格段に増すことでしょう。

 具体的に話をすすめましょう。
 たとえば、非力な少数党が、なけなしの候補者擁立をしているところでは、少数党の方を統一候補に推していただけるよう、組織をお持ちの党、特に共産党にご検討いただけましたら幸いです。
 さすれば、脱原発統一候補が共産党の場合(それが一番多いのですが)、その少数党の人たちにも、喜んで共産党候補に投票する気持ちと理解をしていただきましょう。それは日本がたしかな脱原発に向かうために、共産党を含む脱原発の多くの野党が共闘して、選挙区の取り決めをし互いに助け合いながら勝利に向かっている事を、一人でも多くの有権者に伝えて投票への意欲と元気、そして国民の義務への意志を持っていただこうと思っています。

 現在の大手メディアは、日本を軍国主義にむけようとしているネオコンファシズムの自民党や維新の会のことばかりとりあげて、現政権にもの申すほんとうの第三極である原発反対の国民連合の夫々の党のことはなかなかとりあげようとしません。とくに国民の生活第一党のことは、一切とりあげないといってもよいほどです。ほんとうに恥ずかしい報道姿勢です。
 この地震の国に安全神話をふりまき、野放図に54基もの原発の建設をすすめてきたのは自民党です。ここで再び自民党返りをすることは、日本をかつての戦争への道をすすめることであり、日本はいよいよ沈没へと向かうでしょう。この腐ったメディアの異様に偏り騒ぐ様子は、まさにかつての戦争前の大本営発表と同様です。
 わたしたちは、この喧噪と幻想に惑わされることなく、これまでと違う選挙のあり方をすすめていきたいと思っています。この日本の未来を左右する重大な局面で人々が棄権することのないよう、日本の未来を自分たちの投票で決めることを真剣に考えて投票するためにも、死票の増えないように、各党のみなさまに全野党共闘で、脱原発統一候補への取り組みをすすめていただきたいと心からお願い申し上げる次第です。

たとえば、関西の大阪・兵庫、そして関東などの一部の例をあげてみます。
脱原発統一候補の推薦候補者
大阪1区  新党きづな(渡辺義彦)
大阪2区   ☆共産党(山本陽子)
大阪3区   ☆共産党(渡辺ゆい)
大阪4区   社民党(井上幸洋)
大阪6区   国民の生活・・(村上)
大阪7区   ☆共産党(石川りえ)
大阪8区   ☆共産党(いそかわ和洋)
大阪9区   民主党(大谷信盛)
大阪10区   民主党(辻元清美)
大阪11区   ☆共産党(みわ智之)
大阪12区   ☆共産党(吉井よし子)
大阪13区   共産党(吉井英勝)
大阪14区   共産党(野沢みちあき)
大阪15区  国民の生活・・(大谷 啓)
大阪16区   共産党(岡井つとむ)
大阪17区   民主党(辻 恵)
大阪18区   民主党(中川治)
大阪19区   共産党(たのうえ総太郎)
兵庫1区  民主党(井戸正枝)
兵庫2区  共産党(貫名ユウナ)
兵庫3区  民主党(土肥隆一)
兵庫4区  共産党(松元勝雄)
兵庫5区  民主党(梶原康弘)
兵庫6区  共産党(吉見秋彦)
兵庫7区  0
兵庫8区 新党日本 (田中康夫)
兵庫9区 共産党(新町美千代)
兵庫10区  共産党(井澤孝典)
兵庫11区  共産党(白髪みどり)
兵庫12区 0
東京2区  共産党(桑名文彦)
東京9区国民生活が第一(木内孝胤)
東京10区  減税日本(小林興起)
東京11区国民の生活第一(渡辺浩一郎)
東京14区国民の生活第一(木村剛司)
東京15区 国民の生活第一(東祥三)
東京23区  民主党(櫛渕万里)
千葉4区 国民の生活(三宅雪子)
埼玉1区 社民党(川上康生)
埼玉7区 国民の生活(小宮山泰子)
埼玉9区 国民の生活(松浦武志)
埼玉10区 国民の生活(松崎誓久)
群馬5区 社民党(小林人志)
京都2区 社民党(さとう大)
脱原発を実現する市民の会
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このように、同じ脱原発で志をひとつにする政党のちからを強くして、少しでも脱原発の力を国民世論に生かそうとするねらいであり、そのような趣旨からの要望書であ。 これは11月中のことなので、その後に「日本未来の党」が樹立されていくこととなる