私は、このさざ波通信12月1日付けで「2012年総選挙自民党の公約の検討」を投稿・掲載していただいた。
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/readers12/1212/r12122.html
その中で、憲法改定についての自民党の公約を読み、改めて改憲の執念に驚きと危機感とを感じた。
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○憲法改正
「憲法改正」
・自衛権の発動を妨げないこと、国防軍を保持することを明記
・憲法改正の発議要件を衆参それぞれの過半数に緩和
【所感】
脱原発やTPP、消費増税については自民党ならではの保守性が顕著である。自民党の政策を読み、最大の特徴は「憲法改正」である。軍国主義大国に向けての明確な舵取りの「憲法改悪」の表明であり、総選挙において、憲法についての争点化がなされないと、似たようなカモフラージュされた原発や消費税、TPPだけでは、本音の正体を問う大問題としての「日本国憲法改悪」問題が、選挙後に亡霊のように国民を震撼させる危機的 事態が現実に起きてくることを懸念する。
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その後、全政党の公約を吟味し検討する作業に取り組んだ。
「2012年総選挙全政党公約の吟味と検討一覧・増補版」
http://kaze.fm/wordpress/?p=423
石原氏と橋下氏の見解の食い違いでなかなか定まらなかった「日本維新の会」の公約を12月8日に点検した。そこで愕然としたのは、自民党にも劣らぬ維新の会の改憲に対する公約の文章である。
以下に改憲に対する維新の会について記した小生の文を転載する。
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(前略・中略)
8 憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
・憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
・首相公選制(再掲)
・首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議 院の優位性の強化(再掲)
・地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94 条の改正
・憲法9条を変えるか否かの国民投票
【感想】
日本維新の会の公約を俯瞰して、他の保守政党と比べて、現行の平和主義・基本的人権尊重・議会制民主主義・地方自治の尊重などの現行憲法の各条項を すべて廃棄して、新しい国家主義的軍国主義的憲法をつくることに、執念にも似た思い入れを感ずる。
自民党の公約でも「所感」のところで述べたが、争点が似たり寄ったりとして投票結果が定まった時に、憲法改悪勢力が2~4政党の連合体として、国会の巨大な勢力として、冷静な手順のもと、淡々と憲法を変えて、海外に出兵する日本国軍隊を備えて、軍事国家としてアジアの憲兵然として、「国のかたち」を日本国解体=大日本軍事国として、大きく改変することも選挙後にやってくる十分な危険性を感じさせる。
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私たちは、脱原発・消費増税・TPPなどの民衆を苦しめる重要な政治的課題を抱えている。しかし、マスコミはそれらはどの政党に投票しても、さほど変わりはないと喧伝している。未来の党の嘉田由紀子代表は、新聞の選挙投票動向の調査結果を見て、「私たちがこれだけがんばっているのに・・・」と落胆の表情を隠さなかった。しかし、マスコミが原発事故以来でも、とり続けた報道姿勢は、支配体制よりの報道だった。選挙では、小沢一郎氏が権力的冤罪の罠から二審無罪を勝ち取って、その努力を傾け続けた結果は、未来の党に不利な結果とはならないのではあるまいか。
残された日数はわずかだが、この選挙で、選挙後に内閣が発足するやいなや改憲が現実のスケジュールを露わにすることがないよう、護憲政党や軍国主義に同伴することのない政党が、日本の絶望的な情勢を救世するような選挙結果を残したいものである。
私たちは1945年から問われている。
私たちは未来からも問われている。
「なぜあの時の総選挙で、このような罠にたやすくはまったのか?」