町の灯さんの「12月選挙が日本のナチクーデター。」を拝読しました。私の拙 論への丁寧な返信にまずお礼を申しあげます。それを前提としてひとこと加えさ せいただきます。
2012年衆院総選挙の結果、自公政権が行おうとしている事態を「合法的
クーデター」とよんだのは、社会科学的分析による概念というよりは、その事態
を象徴的に表現した表象です。
もちろん、町の灯さんは私の文章を的確にご理解くださっててます。だから、
「分析視覚は当然としても、拱手傍観をしたくはありません。自分がなにをどう
しなけれぎならないか
です。」と適切なご意見を町の灯さんはおっしゃっているのだと了解致しまし
た。
いま安倍政権は、改憲の謀略に着々と布石を打っています。明文改憲と解釈改
憲と併行して改憲を進めようとしています。内閣法制局長官の人事は異常な方法
です。法制局のトップをいきなり外部からもってきて、歴代の内閣法制局長官が
集団的自衛権を否定してきた前例を覆して、無理矢理集団的自衛権を合法化しよ
うとしています。国民の動静を探っておりあらば明文改憲を少しでも進めようと
しています。
私はこのような自公政権に対する対抗策を二つ考えています。
ひとつは、脱原発市民運動のような国民生活に及ぶ多種多彩な市民運動の持続的
な盛り上がりです。
もうひとつは、自治体選挙です。
国政選挙は常識的に言えば三年間はありません。ただ、場合によっては、衆院
選を安倍政権が行うことにならざるを得ない局面も想定内においておくほうがよ
いかも知れません。
国政選挙がなくとも、都道府県市町村の首長と議会の選挙は、全国各地であり
ます。草の根から安倍政権に対する「ノー!」の意思表示を示すことができるな
ら、国政選挙はなくとも、安倍政権に異議申し立てを行えます。また、脱原発再
稼働反対金曜日官邸前行動のような意思表示を、護憲運動や生活保護運動など国
民生活のさまざまな局面や改憲策動への街頭行動や集会パレードなどを通じて取
り組めるならば、それも有益です。
このさざ波通信の根本は、日本共産党を基盤としつつ、党中央指導部の実態に
見られる矛盾や問題点を克服して、本来の民衆の立場に立脚する日本共産党の再
建をめざしていると私は解釈しています。
東京都議選や参院選の躍進は、日本共産党独自の努力、創意工夫とともに、い
ま国民が対抗勢力を日本共産党に求めているところにあります。
全八回に及ぶ鵜崎義永氏とご遺族による『日本共産党中央委員会への意見書』
は、日本共産党が国会で数十議席をもつ一九七〇年代の実態への意見書です。そ
の時期に見られた問題点を余すところ無く告発しています。そのような問題点に
ついては、引き続き日本共産党の改善のためにも検討・議論していくことが大切
です。
さらに、いま日本共産党が完璧でなくとも、安倍自公政権への対抗勢力とし
て、ひとつひとつの政治課題で、他の野党と一点共闘を行い国民生活の救援を行
うことは、立法機関としての国会で重要な役割を果たすことができましょう。
私は日本共産党が中間政党と呼ぶ「社民党・生活の党・みどりの風・緑の党・
新社会党ら」が護憲リベラルの結集をはかることを期待しています。脱原発基本
法を脱原発基本法制定ネットワークが提出しました。この時の政党は、上記の政
党と民主党、みんなの党の一部もいたと思います。民主党やみんなの党はそれぞ
れ野党再編をめぐって党内が対立しています。民主党右派は維新の会やみんなの
党と連携を探っています。民主党左派は社民党や生活の党などと連携を めざし
ています。みんなの党は渡辺代表と江田幹事長が対立して、渡辺代表は江田幹事
長を更迭しました。江田氏は維新の会や民主党右派との連携を進めようとしてい
ました。民主党とみんなの党は、政党内に揺れ幅が広く解体再編の可能性が高い
です。ただ民主党は連合を支持基盤としてもっていますから、連合が企業内組合
連合体として、まるごと右傾化していくこともありえます。
私は2012年12月の衆院選までは、護憲共同の野党連合を支持していまし
た。しかし結果は壊滅的な結果でした。その点では、参院選で日本共産党が躍進
をとげたことは、護憲共同連合を成立する前に一段階ステップがあることに気付
きました。「護憲リベラル派」の結集とその成果を実績として実らせることで
す。次の国政選挙の時までに、護憲リベラル派と日本共産党がそれぞれの勢力を
拡大させ、自公政権と維新の会、みんなの党に対して確固とした抵抗勢力として
実質を形成することです。参院選沖縄選挙区では、護憲リベラル派と目される社
会大衆党、社民党、新社会党、みどりの風、生活の党と日本共産党は結束して自
公の候補を打ち破ることに成功しました。こうして見てくると、日本共産 党よ
りも護憲リベラル派の結束と実力を高めることが、改憲策動を打破する上で、重
要な到達課題であると思います。