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「現状分析と対抗戦略」討論欄

宇都宮健児氏は都知事選にこう語っている

2013/12/24 櫻井智志

 都知事選について、宇都宮健児氏について22日、志葉玲のインタビュー記事を、孫崎享氏が自らの有料ブログ「孫崎享のつぶやき」で紹介されている。
(元のインタビュー記事
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20131222-00030888/

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①―都知事選に出馬されますか?...
多くの市民の方々の応援をいただけるのならば、それに応える覚悟はあります。

②―事実上の出馬宣言ですね?
選挙というものは、立候補する人が一人でやるものではなく、支持する人々が盛り上げていくもの。皆さんからの強い要望があるならば、私も頑張ります。

③―仮に出馬されるとしたら、どのような政策を訴えていかれるのでしょうか?
まず、首都直下地震対策です。石原、猪瀬両知事は、オリンピック招致関連のハコモノに予算をかける一方で、地震対策費は削減してきた。学校や公共施設の耐震強化はろくに行われていないのが実態です。都民の安全を守るため、地震対策は急務です。地震で東京湾岸沿いの工場や石油・ガスプラントで火災が起きた場合、都内へのエネルギー供給が断たれる恐れもありますから、千葉県や神奈川県、そして政府とも連携して対策に取り組むべきでしょう。

④―東京でのオリンピック開催が決定しましたが、これにはどの様なお考えで?
一度、決まってしまったものを今から覆すのはさすがに難しいでしょうから、なるべく税金の無駄が少ないコンパクトなオリンピックを目指すべきでは、と思います。大事なことは、東京での開催に向けて周辺国との緊張を緩和し、「平和の祭典」としてのオリンピックを目指すこと。安倍政権は特定秘密保護法や集団的自衛権行使の容認に向けた動きなど、「戦争できる国づくり」を急速に進めています。このままでは、日中戦争開戦で開催できなかった1940年の「幻の東京オリンピック」の二の舞いになるのかもしれません。ですから、平和と友好というオリンピックの理念の下、東アジアの緊張緩和を目指すべきだと思います。

⑤―東京都は東電の大株主です。原発についてはいかがでしょうか?
脱原発を進めていくべきです。福島第一、第二原発、そして柏崎刈羽原発の廃炉を求めていくべきでしょう。汚染水対策も口先だけでなく、しっかりとやっていくべきです。

⑥―労働基準法違反の長時間低賃金労働を強いる、いわゆるブラック企業が社会問題化していますが、サラ金被害者救済を行ってきた宇都宮さんは、ブラック企業対策は得意分野ですよね?
はい。都の事業などを企業が受注する際、その企業が労働者に対し最低賃金を支払っているかを受注の条件とするよう、公契約条例を見直すべきだと思います。また、働きすぎによる過労死・過労自殺・うつ病をなくすため過労死防止条例も導入するべきでしょう。

⑦―多くの都民が選挙の際に参考にするだろう経済政策についてはいかがでしょう?
アベノミクスのような、一見、威勢のいいイケイケの経済政策は、結局、格差を拡大させ、より多くの貧困を生み、破綻します。都がやるべきこととして私が考えるのは、公営住宅の拡充や、低所得者向けの家賃補助。というのは、ちゃんとした住所がないと就職活動をしても採用されませんし、家賃負担さえなければ、生活保護を受けなくても大丈夫、という人々は大勢います。都内には空き家も増えてきていますから、都が家賃補助をして入居者が増えれば、大家さん達も助かるでしょう。格差貧困をなくすことが、結果として内需拡大につながり、経済の活性化につながると思います。

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 私は東京オリンピックについて、宇都宮氏が展開している論理と論点に刮目した。 オリンピックを都政の広範な問題と調和させつつ成功させるということ。さらに、平和と友好のオリンピック憲章のもとに、東アジアの緊張緩和を目指すということ。この二つをとっても、宇都宮氏がいかに都政と諸問題について、豊かな視野と見識をもっているかに驚き感銘させられる。
 アベノミクスについての矛盾と都民のリアルな現状にも及んで直視している。見事な政治的展望と感銘を受けた。