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「現状分析と対抗戦略」討論欄

細川護煕元総理の都知事選出馬への秘策

2014/1/10 櫻井智志

 東京都知事選は、自民公明の推す桝添要一氏、共産・社民の推薦する宇都宮健児氏、石原慎太郎個人が推す田母神氏、それに民主党が推す細川護煕氏と候補がほぼ 出そろった。
 立候補締め切りに近く出馬した細川氏は、脱原発で小泉純一郎氏と提携しながら、原発再稼働を進めようとしている安倍自公政権を牽制しようとしている。
 私は細川氏が今まで反原発運動に一切加わってこなかったことや細川連立政権で佐川急便との汚職疑惑で在任八ヶ月で総理の座を投げ出すなど、政治家としての要すから、否定的に出馬を考えていた。
 しかし、脱原発は福島県民などの被害を受けた庶民にとって、最大の悲願である。黒い猫も灰色の猫でも、ネズミを捕まえてくれるなら、猫であることに変わりはない。宇都宮健児氏が細川氏と共同して候補として一本化することなど、空想的観照に過ぎない。
 私の考えは、「反原発」一点に絞って、「反原発協定」を締結することである。選挙運動でも、原発再稼働を禁止し、原発を廃炉させること。さらに次の視点はどうだろうか。
 孫崎享氏は、自らのブログで次の事柄を提起している。

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12月16日付朝日新聞は「原発迷走」の中で次の記述をした。
「東日本大震災から一週間後の2011年3月18日、東電は大手銀行にSOSを出した。銀行団は2兆円融資の決定をした。大手銀行幹部はいう。“あの時川を越えた。今さら引けない。(省略)事故後に世論を二 分した”脱原発“の議論をよそに、原発復活の道へと”逆走“する東電を金融機関が後押しする」
 そして金融機関の融資額を掲載した。
金融機関主要11社の東京電力への融資額
 三井住友銀行    9900億円
 みずほ銀行等    7700億円
 日本政策投資銀行  7600億円
 三菱東京UFJ銀行等 3900億円
 主要11社合計  4兆1000億円
 77社融資総額  4兆5000億円
 原発再稼働がなければこれらは基本的に明確な負債になる。ごまかし続けるためには何としても原発の再稼働を行わなければならない。
こうした巨大な勢力に対抗するにはどうするか。
先ず現在の国会にこれを止める力 はない。
白猫でも黒猫でもいい。これを止める力は全て活用する姿勢が必要である。その中、小泉元首相が発言しているのはほぼ全ての自民党勢力が賛成ないし沈黙している中で、貴重である。
デモで意思を鮮明にしていくことが何より重要な手段となっている。
その中、宇都宮氏は脱原発の姿勢を明確に打ち出した。
「「知事になったら、東京電力の株主総会で(新潟県の)柏崎刈羽原発の廃炉を提案する」と「脱原発」に取り組む考えを示した。」
これがいま我々に与えられた最良の手段であろう。
このようなチャンスはもうほとんどこない。
原発の再稼働に反対する人々は、東京都知事選挙の持つ意義を今一度熟慮しよう。
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 宇都宮氏は、細川氏に上記の具体的現実的提案をしたらどうか。もしも細川氏がそれを快諾したら、「反原発協定」はぜひ締結すべきだ。しかし、細川氏が現実的提起の具体案を否定するようなら、細川氏の脱原発政策は、モード的イメージ的ファッション的なつまり選挙戦術に過ぎない。
 その時は、宇都宮氏は自らと支援者が応援するマイペースで邁進すればよい。もしも、細川氏が現実の実践として、宇都宮氏からの提案を受け入れるなら、「反原発協定」として、互いの原発政策を応援し合い、相手の原発政策を批判しないことだ。それ以外の政策については、批判しあっても、共通の政敵として、桝添氏や田母神氏の自公路線・軍国主義路線と闘い、首都東京から平和と反原発を発信すればよい。
 宇都宮陣営は堂々と闘えばよい。細川氏の返答しだいで、選挙闘争の共闘者が増えるか変わらぬか、ただそれだけだ。