れんだいじさんの問題提起のなかでいくぶん気になることがありますので、あえて投稿させていただきます。それは、れんだいじさんが「日教組に期待する」かのような発言をされていることです。
日教組の右転落はすでに10年も前に完了しており、そのことが「日の丸・君が代」の強制強化の傾向とおおいに関連していることは明白です。はっきり言えば、いまや地方の教育委員会や現場の管理職のなかには、かつての日教組の幹部連中がかなり多く入っています。彼らは、かつての立場(しばしば極左的な)をかなぐり捨て、いまでは「日の丸・君が代」推進の急先鋒に立っているのです。日教組の公式サイトを見ても、「日の丸・君が代」問題についてのコメントはいっさいありません。
広島の問題にしても、日教組内の一部グループが解同と結びついて運動を展開しているところに問題の屈折した状況が見られるのであって、日教組の主流派が率先して「日の丸・君が代」強制反対闘争をたたかっているというわけではないのです。
日本社会全体の右傾化がかつてなく急速に進行しているのと同じように、教育現場でも右傾化傾向は顕著になっています。もし、れんだいじさんの意識のなかに教育現場の状況についての認識が希薄であるとすれば、「日の丸・君が代」問題の正確な理解は困難であると思います。
国旗・国歌の法制化に関する不破氏の発言のなかにも、現場の教職員(とりわけ全教組合員)が毎年、「展望のない」この問題で疲労困憊しているという趣旨の指摘があります。日本共産党の国旗・国歌法制化についての今回の提言のなかに、このことについての一定の配慮があることも事実だと思います。しかしだからといって、私は国旗・国歌の法制化を支持したり、これを事態の打開に結びつける考えには反対です。
教育現場の状況について十分な認識がないままに、「日の丸・君が代」問題の議論がすすめられることを憂慮します。なぜなら、「日の丸・君が代」の強制はなによりもこの国の学校現場に対して行われているからです。