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「イラク戦争」討論欄

大歩危さま 鉄ちゃん様(少々) プロパガンダの土台からは真実は見えてこないと思います

2003/4/14 長壁満子、40代

 貴重なご意見ありがとうございます。
 そして、東京都知事選、石原氏の圧勝おめでとうございます。308万票の7割、つまり、都民の5人に1人強が石原氏を熱望するという民度がしめされました。まさに、この事実は、現実として、認識したいとおもいます。
 ですが、だからといって、大歩様が私の「少数意見」を、国民の平均的な視点からずれているという理由で、批判なさるというのは、論理のすりかえだとおもいます。問題は、私のいっていることの中身ではないでしょうか。
 私のそれまでのメディア批判(テレビからジャーナリスト、赤旗、朝日まで)の、中身について、検証・批判をくださると、ありがたいとおもいます。
 さて、大歩様、かのヒトラーは、ちょうど今のような閉塞かんの漂う、混迷のなか、強い指導者を希求する国民の圧倒的な支持の下、熱狂的にむかえられました。
 先日、私の所属する会(ジャーナリスト会議)のメンバーから、興味深い資料がおくられてきました。
 アメリカのイラク攻撃に関して、世界の多様な情報をと願う、日本の翻訳家集団が組織した「TUP速報」です。私も今日もうしこみましたが、大歩様も、是非、ごらんなりませんか。
 「TUP速報」配信希望とかいて、「schu@io.ocn.ne.jp]まで申し込むと、無料で連日配信されるそうです。皆さんもどうぞ。

 次に、一連のブッシュ戦略に関して、大歩様と私は明確な見解の相違があります。
 私は、このたびのイラク攻撃もアフガン攻撃も、かつての日本の侵略戦争と同じあるいは、さらに恐ろしい、一片の大儀もないものと断定します。このことに関しては、いろいろな意見があるとか、立場がちがうとか、私は一切みとめません。わたしのこの信念の底にあるのは、人の尊厳と命です。これを侵す権利はだれにもありません。ブッシュも大歩様も私も、侵される権利も侵す権利もないのです。
 ですから、今、ブッシュが率いる「ネオコン」侵略戦争は、国連の決議があろうとなかろうと、とうてい許しがたいものと認識しています。
 地球にある国々、民の尊厳を認めないどころか、勝手にその国の資源を狙い、略奪せんがために、民主主義の皮をかぶって分け前をえさに、群がる属国とつるんだ強盗殺戮戦争がこのたび繰り広げられている、大量処刑です。
 その口実たるや、ほとんど笑っちゃいますが、「大量破壊兵器がテロリストや独裁者の手にわたらないように」と、何千倍の身の毛もよだつ核大量破壊兵器で、殺戮見せしめ実験をやるのです。ピンポイント攻撃がいかほどのものか、読売・産経の超米国寄り新聞からでも、うかがいしれるというものです。
 そして、ブッシュの今の蛮行は、9・11を有力な根拠にしていますが、これも、大歩様は100%信じていらっしゃるのでしょうが、仮に信じてもいいですが、この事件は今だに、犯人がビンラディンも含めて、特定されていませんよ。どうしてでしょうか?また、この事件は、大量破壊兵器でなく、一本のナイフが凶器でした。ナイフを、地球から、すべて殲滅したらどうでしょうか。
 あるいは、ブッシュなら、狂信者だとか、狂人だとかいうのでしょうね。アフガンのイラクの一般民もこどもも、将来の脅威になるというのでしょうね。かりに、かりに、1万歩ゆずって、そうだとしても、そこまで憎悪をかきたてたのは、どこの「けだもの」でしょうか。
 もうひとつ、「国民を独裁政権の恐怖から解放する」というおためごかし、なんでしょうか。このおせっかいは・・・
 そんなことより、今米国がばらまいている、劣化ウラン弾の恐怖からこどもたちを開放してあげたらどうか。経済制裁をやめて、がんに苦しむこどもに抗がん剤を輸出したらどうか。のたうちまわるこを、妹を、姉をみてともに苦しんだ親が、兄が、弟が、アメリカをこころよくおもうと思うのか。
 わたしは、フセインも、イラクの民も、なにか、とくべつの、人間でないものとして扱われているような気がしてならないのです。このへんの認識が甘いといわれるのですが、それこそ、金正日・フセイン悪いということと、アメリカの非道な制裁とは、きっぱり、線引きをする必要があると思います。むしろ、甘いのは、みなさんではないでしょうか。マスコミではないでしょうか。
 鉄ちゃんのことに言及しますが、彼が、フセイン、金正日のことに詳しく、過去のあるいは現在の非道ぶりに怒りをもっていることは、わかるのです。私は知識がありません。ただ、豊田直巳氏が自らの目で取材した判断もまた、ひとつの現実であると思うのです。むしろ、この点では豊田氏と話し合う必要があります。また、人は変わります。
 また、東条でもいいのですが、ならば、731部隊で活躍した人たち、あるいは、沖縄を捨石にして、もう一花さかせてから・・と戦局を見誤ったときのリーダー(天皇)は、あるいは、天皇制軍部の下、戦争に反対して弾圧された何千という人々、小林多喜二を拷問のすえ殺した人間などなど・・ 日本では、恐らくフセイン以上の弾圧者が、その後、ぬくぬくと生きのびて、大方はいい生活をしているのではないのでしょうか。また、そうした連中が日本の医療界を牛耳っているのもまた、真実です。だからといって、私は、全て一から裁判しろなどいいませんが、せめて死ぬ前に「わびてほしい」という従軍慰安婦のかたがたの声くらいは聞く耳をもつのが人間だとおもっています。治安維持法犠牲者の遺族は今もなお、一言の許しを求めて、たたかっています。つい、半年前ですか、小林多喜二の弟さんが、なくなられました。あるいは、自ら、過去の過ちを証言なさるお医者さんもいらっしゃいます。私たちは、ほんの少しずつ勇気を持って、真実に向きあいたいと思うのですが。
 こんなわけで、私たちは、自分たちの独裁者や、弾圧者、許しがたい罪業を持った人間を、きちんと法廷でさばかないで、マッカーサーとの取引でうやむやにされてきたのではないでしょうか。こうしたことが、日本人の贖罪意識を薄め、戦争の本質をごまかすかっこうの材料となっています。この線上に「つくる会」の歴史教科書が養護学校に押し付けられるといった現象があるのではないでしょうか。なお、この歪曲教科書に熱心なのは、もちろん、今回再選された都知事です。弾圧というのは、こうした巧妙なものほうがこわいのですが。
 拉致事件も然りです。悲惨な拉致が本来と違う方向に利用されているのです。今の拉致家族の方々は、どうなっているのでしょうかね。石原氏の好む強権や威嚇などでは、人のこころは動かないと思いますし、複雑な何十年にわたる人の消息に関して、思惑があるだけに、より人間的な配慮と交流が必要ではないでしょうか。

 というふうな考え方もまた、大歩様からみれば、一種のプロパガンダに基づいたものとなるでしょうか。
 ただ、これだけは、いえると思うのですが、プロパガンダというのは、ある利害のもとに自分がとくをするように相手を誹謗し、宣伝することですが、今回、米国よりの報道、日本に流布している報道、そして、ときおりかいまみられるロイター、アルジャジーラの報道のどれが真実か否かは、立場・状況から、自ずとわかることではないでしょうか。
 いままでの、度重なる前科(氷山の一角だとみています)からしても、今のアメリカ、日本のメディアの状況が、国策と言う非常にいかがわしいものが基準になって、大本営発表になっているということは、おわかりいただけるとおもうのです。
 なんだか、長々と、いいたいことをいってしまいましたが、お許しください。言葉たらずのところは、ご容赦ください。ともあれ、異見を率直に言っていただける大歩さま、鉄ちゃん様、他の方々に、熱いものをかんじます。ほかのホームページでは、なかなか、こうした誠実な息の長いものはないのではないでしょうか。この状態が、危ぶまれる個人情報保護法案が具体的に、画策されようとしています。有事法案も、戦争準備の仕上げとして、これから始まる戦争参加のために、与党は成立をねらっています。それこそ、プロパガンダの総仕上げの結果となります。この点に関しては、連帯して闘いたいとおもいます。