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「イラク戦争」討論欄

拉致帰国者の方々へ

2003/4/16 長壁満子、40代、金融

 私たちは、イラクの人々の本当の苦しみ、辛さ、惨めさ、恐怖がわからないように、あなた方の、拉致され、他国での強制的な生活の不安と辛さ、そして、今、双方の政府の都合により、余儀なくされている、家族との離反・・不安・・は、本当のところ、わかりません。
 ですから、自分がそうだったなら・・・とあなたがたの立場に、極力自分をおいて、想像して考えることしかできません。
 今、目の前で繰り広げられている殺戮戦争、
 あなた方が家族と離れ、日本で生活していること、
 あなた方の家族の北朝鮮での生活の様子は、日本のメディアの取材で、知りえた情報を駆使しながら、自分の身に引き寄せて、あれこれ、思いをはせることしかできません。

 4月16日の朝日新聞に、「拉致問題滞る」と題して、家族の方々の苛立ちが、痛いほど、伝わってきました。
 特に、曽我さんには、親近感を抱いていたこともあり、「頑張りましょう、待ちましょう、といわれても・・口だけでなく、実行を・・」と、語られるあなたの苦しみが痛いほど伝わってきました。朝鮮民主主義人民共和国の家族の不安もまた、同じでしょう。

 それにしても、蓮池さん、地村さん、曽我さん、ずいぶん、やつれましたね。とても、精神的に疲れていらっしゃるように、みうけられます。帰国なさったばかりの、あの溌剌さ、不安の中にも、双方に思いを寄せる自然なお気持ちが感じられ、私は、一抹の望みを、あなた方に託しました。

 そして今、やはり、どこか、とても、大きな無理があるのではないでしょうか。日本からみた北朝鮮、北朝鮮からみた日本・・どちらの視点も必要だという気がします。
 この双方の視点に戻るという、原点から出発しない限り、解決はないとおもいます。相手は、人間です。人間の住む国です。大切なご家族の生まれ育った祖国でもあります。

 きなくさいい臭いが充満する世界情勢のなかで、北朝鮮の位置、日本の立場、米国の姿勢、韓国、中国・・と、複雑に絡み合う関係性のなかで、なにか、とても、大事なものが、欠けているように感じられるのですが・・・