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「イラク戦争」討論欄

新聞報道朝日に思うーー戦前、戦中、戦後・・・・・(1)

2003/4/17 長壁 満子、40代、金融

 4月17日付朝日一面、国連人権委員会「北朝鮮非難決議を採択」と題して、決議に強制力ないが、拉致問題を含めた人権状況改善に向け、北朝鮮への国際圧力が一層強まることは間違いない-ーと記す。
 この期に及んで、この扱い? 
 思えば、国連人権委員会で、その公職にあるまじき人間性を問われたのが、この度、308万票で再選された石原氏である。女性国際戦犯法廷は、どこかで小さく取り上げられたが、石原氏の件は無視。赤旗も掲載していなかった様な気がする。
 3面には、(北朝鮮の)イラク戦報道は「反米」 制圧後はほとんどなしーーと、イラク戦争に関しては、米英軍がバグダッドに侵攻するまでは、ほぼ毎日のように報道していた。戦争に反対する各国の反米でも、イラクで苦戦する米英軍戦況など、米国に批判的な内容が中心(圧力が効をなしたか)。ーー他将軍さまをたたえる番組が主であると解説するが、一体視点はどこにあるか。
 さて、イラクのフセイン政権も武力で制圧され、次はシリアか北朝鮮か・・と、世界戦争が目論まれているとき、メディアはどうして、駒のように動くのだろうか。否、米国の戦略に沿ってしまうのだろうか。朝日に限って(幻想か)、ここのところ、イラク報道に関していえば、批判したくなる程度に、良識の一片はかんじられていた。
 今、目論まれている「有事法制批判」の有の字もないが、治安維持法裁判の横浜事件は、きちんと、とりあげられていた。
 夕刊14,15日付の「イラク戦争を考える」は、福田和也氏ー啓蒙的時代が終わり私たちは立ちすくむと、加藤典洋氏ー「日本型」の民主化は繰り返すべきでないは、戦争の本質が理解できる一面を有している。が、この福田氏、「石原慎太郎「総理」を検証する」と題して、落語家とのエピソードを織り交ぜながら、石原世論に迎合することで商売をする。
 一面にかえって、「きしむ世界 国連」からは、「安保、人道、分業」に直面と題して、米国の先制攻撃論はすでに波及の兆しが見える。インドの閣僚がインドによるパキスタンへの先制攻撃は米国のイラク攻撃より正当性がある、と声をあげている、という。何おかいわんやである。世界中で赤んぼがえりではないか。矛先を他国に向ける先制攻撃か、早いか遅いかのちがいであろう。

 何度でも、何度でも、私は問いたい。
 一体、全体、なぜ、なぜ、今になっても、フセインの大量破壊兵器だの独裁だの、シリアの民主化だのそして、北朝鮮の核だ、ミサイルだの人権抑圧だのを、米国のまな板にのせるのか。米国の調理の腕前は、先のアフガンで、イラクでその残虐ぶりは思いしったのではないか。まな板に乗ったが最後、どのようにでも、調理されるのだ。日本は、材料を提供すべきでない。フセインの好ましくない点は、ブッシュのそれの何万分の一か。フセインの悪を唯一攻撃の具にしたてようとしているとき、わたしたちは、そのまな板を取り上げるべきだったのだ。
 これは、タリバンが良い見本だ。タリバン政権を女性抑圧だの、恐怖政治だの捏造して、それまでの内戦地獄からようやく、まともになりかけていたアフガニスタンを、再び、いやさらに、地獄へとつき落とした。カブールという、アフガニスタンをほとんど代表しない(規模的にも、中身の点でも、構成員からしても)、傀儡政権の現実をみてみればよーくわかる。南部一帯では、より一層の戦乱が続いている。
 中央パイプラインビジネスは、そう簡単ではないだろう。