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「イラク戦争」討論欄

朝日新聞の欺瞞と良識ーー戦前、戦中、戦後・・・・・(3)

2003/4/18 長壁満子、40代、金融

 でました。でました。前回朝日の長所をかなり好意的にメールしたばかりですが。
 4月18日付一面、おおきなゴシックでおどろおどろしく、「政治は犯収容の刑務所に遺体 陥落前、処刑か 住民語る」--左横に4人の男性(遺族)、一人が袋のようなものに触れ、それを見守るかのような構図であるが、もののみごとに調和?しているのは・・・これだけのポーズが意図せずにできるわけはない。仮に、演出でもいいが、これほどの一面を使ったものなら、死刑犯の人体の一部でもみせたらどうか。これでは、まったく、信憑性が感じられない。
 --政治犯が収容されたバグダッド郊外のアブグレイブ刑務所を16日訪れた記者は、300人が収容され、そのうち50人近くが政治犯だったという。ほとんどの服役囚は8日、別の刑務所への移送を告げられ、バスで向かったところ、途中で釈放された。
 刑務所に捜査に来た人(?)らによると、情報機関などから離脱するなどして逮捕され、機密を握ると疑われた人ら(?)がのこされていたという(13の遺体との整合性は?)。
 ついで、イラクの政治に詳しい大野中東調査会客員研究員の話として、98~99年に大量の政治犯が処刑されたと言う情報が反体制派から流れていたが確認されていない。(なのに)人数は数百、数千の単位とされている。--と結び、タイトルは氷山の一角? と表記。?がなんとも小さい。
 私が何をいいたいかみなさん、わかってくれますか。独裁体制下、反体制派をとらえ、死刑執行したのぐらい、想像できますが、今このときに断罪すべきことは、ほかにあるのではないか、ということです。その独裁振りは、今まで検証すればよかったわけで、爆弾を雨霰とおとしておいて、なにがその検証か。日本でも、戦争前後、大杉栄や幸徳秋水ら、無政府主義者でさえ、弾圧・虐殺したのです。像の花子は戦争反対もしていないのに、殺されました。ハンセン病の人々は、精神障害者のひとは、どうされたでしょうか。

 そもそも、これって、一昨年暮れでしたか、朝日の広報に意見しましたが、タリバン政権崩壊後の扱いと瓜二つです。
 同じように、一面に、派手派手く、タリバン時代の拷問部屋 処刑場といった、タイトルとともにのりました。
 社会面にも同じように、北部同盟の極悪人の弟に証言と称して、べらべら喋らせておりました。
 よーく考えてみると、たった5年弱のタりバン政権のあいだにつくったにしては、歴史を感じますし、不自然な部分が多くありました。いつのときでも、敵を悪くいうのは、人間の性(さが)でしょう。
 おもえば、9・11のビル崩壊直後、パレスチナの人でしたか。中年女性を含む、数十人が、歓声をあげている表情を映像で流しましたが、な~んとその映像は、湾岸戦争のころみたものとそっくりだという人がいます。もちろん、アフガン攻撃も、すくなくとも、その戦略からいっても、2年以上の下見、準備がなされていたという検証があります。
 私がいいたいことは、このように、知ってか、知らずか、一連のプロパガンダを、性懲りもなく、メディアが垂れ流すということです。受けては、そうした情報を、刷り込まれて、骨の髄までマインドコントロールされて、日本社会の構成員としてあるということです。一面の真実が、とりあげられても、おいそれと、方向転換できないのは、とうぜんです。したがって、ジャーナリズムに批判と、厳しい監視の目をむけるのは、受けての義務と権利だと思うのです。
 で、朝日に提案です。
 今後の戦争を遂行しようとするアメリカと日本を牽制する意味で、今回行われた、戦争をシリーズで連載してください。大量破壊兵器・核査察の欺瞞性からはじまって、口実の独裁振り、今こそイラク人全員にものがいえるところで、その本音をアンケートとってください。かかわるのは、もちろん攻撃した側の人間ではありません。今になっても、アメリカプロパガンダにしがみつき、今日のような記事をみて、「フセイン政権がたおれてよかったじゃないか」などと、イラクの惨状を納得する口実にする人がいるのですから、たまったもんではありません。
 米英の残虐兵器の数々、その性能、将来に向けた殺戮可能な人命、そして、今現在の正確な犠牲者数を、可能な限りしらべてください。跡形もなくなった肉片の散らばるなかで、原型をとどめた人間は、わずかだとおもいますよ。米英の兵は100人程度とわかりましたが、イラクの人たちは兵士ももちろん含めて(攻撃側の兵士の数だけ問題にするな)、何人犠牲になったのか。米英の兵士より先でしょう。
 社説では、「石油は国民のために」と、気のぬけたような論説がのっているが、日本人にいわれたくないです・・と、イラクの人はおこるのではないか。どこまでも、おめでたい朝日論説委員である。この手の大御所が、有能な記者の爪を折っているのではないか。
 さらに、急務を要すること。多くの権威ある知識人が、学者が米国の大統領を呼び捨てにし、狂気の行動あるいは、独断、ならず者国家などなど、公の場でいっていますが、ならば、なぜ、これを放っておくのですか。こうしたものを、支持する日本の首相も同類ではないですか。朝日は、これらをきちんと、検証してください。今のところ、赤旗に負けています。
 大国に突然、処刑を執行されて、直前まで、査察に協力してきたにも関わらず、爆撃をうける。フセインが6ヶ月の食料を国民に確保していなかったことから、フセイン政権を批判する言説があったが、茶番もいいとこだ。独裁者というのは、いきなりの人災にあっても、自分の命もなげすてて、国民の全命を救う義務があるのか。昔の日本人・軍隊の本の一冊でもよんだらどうか、と思う。
 14面の声、またしても、両論併記、拉致被害の無念と怒りを制裁で伝えよーーと、68歳のW氏。相手(北朝鮮)は、とても良識が通用する国とみえないーーというが、じゃあ、アメリカと日本は、良識が通用する国なのか。憲法を認めない国をよしとする、日本の権力者たちの司るこの国が、どこに良識があるというのか。アフガン、イラクの民を殺しまくったと言う自覚が、この老人の心には微塵もない。この人は、先の大戦も私よりは戦争の感覚は体感しているはずである。こういう投稿をのせる朝日の意図は?
 同面、私の視点、立命館大・岡野八代氏の「米国の人権 戦争とともに進む侵害」は「反テロ愛国法」に始まる9・11以降の米国の人権侵害に危惧を抱く。
 ーー戦争とは、突然の宣戦布告によって始まるのではなく、国内における人権と市民的権利の侵害を許す体制づくりから始まる・・まさにこれは、日本のこれから始まる状況をいいあてているのではないか。ただ、戦争をし掛ける側において・・と付け加えたいがーー
 最後に、4月17日の夕刊、「空自、クラスター爆弾配備」148億円分予算明記せずーーとあの残虐爆弾を87~02年にかけて、購入、各基地に配備していたにもかかわらず、予算書に明示していなかったのです。な~んだ、後方支援とかなんとか、口あたりのよさげなことばかりいって、着々と、殺戮の準備をやっていたのではないですか。こういう記事をみても、やはり、多くの皆さんは、気にしないのでしょうか。ま、これも、実際に自衛隊がつかっていないとか、運んだだけだとかで、ご破算になるのでしょう。
 日本は、どんどん、狂気のレールを突っ走っていますよ。もしかしたら、北朝鮮攻撃は、しっかりとその青写真が描かれているかもーー有事法だって、自公で通るのですから。そのつもりですから。ちょっとした面子だけでしょう。民主党も半分ほどいれたいのは・・・赤旗も皆さんも、いそいでください。穏やかに、意見交換している場合じゃないかもわかりません。