イラクの情勢と、戦争が、どのように決着したのかをまず整理します。
まずイラクの国民は、フセインの独裁に苦しんでいた。
イラクの国民は、本音ではフセインの独裁の終焉を望んでいた。
90年に起きた湾岸戦争終結直後、イラク全土で反乱が起きた。
そして今回の戦争で、イラクは、大統領以下幹部が、無条件降伏すらせずに無責任に逃げ出してしまった。
現在の主権はアメリカにある。
今回の戦争で、アメリカは勝者であり、イラクは敗者です。
戦争の勝者が、敗者に賠償金を払ったという話は、少なくても自分は、古今東西聞いた事がありません。
敗者が、勝者へ賠償金(今回は戦費)を払わされるのはごく当然のことと思います。
イラクの国民は、フセインを恐れていたとはいえ、最後までフセイン側についていたので、敗戦の責任は免れないのです。
武力侵攻前にアメリカは、何十万枚ものビラを撒き、フセインの盾にならないように、何度も警告をしたはずです。
それにアメリカは、一般市民を標的にした訳ではなく、彼らがいつまでも軍事目標の側にいたので、巻き込んでしまったのです。
シーア派住民は、結局フセインを嫌っていたようですが、彼らは何もしていません。
抵抗してきたクルド人が、権利を主張するのは分かりますが、最後まで日和見的な態度を取ってきたシーア派住民は、権利を主張しても相手にはされないでしょう。
イスラエル・イランへの賠償金ですが、これはイラクが、民主国家として再出発する際必要になります。
イランに対して賠償金を払うのは、イラクがかつてイランに軍事侵攻をしたからです。
当時イランで、イスラム革命が起こり、シ-ア派のイスラム教徒によって、親米のパーレビ体制が打倒されました。
自国にシ-ア派教徒を多数抱えるイラクでも、同じようにイスラム革命が起きるのを危惧したフセインが、イランへ軍事侵攻したのが、イラン・イラク戦争の始まりです。
例えアメリカが、イラクを支援したとしても、イランからすれば悪いのはイラクです。
イランがイラクから賠償金を取るのではなく、イラクが国交を正常化するためにイランに支払うのです。
イスラエルに対しては、第1次中東戦争時、隣国のアラブ諸国の一員として軍事侵攻をしています。
国連で承認した国(イスラエル)を、問答無用で総攻撃をしたのですから、言い訳は出来ないでしょう。
パレスチナの住民もこの時は、国があったのですが、戦争で負けて土地をイスラエルに取られてしまったのです。
アラブ諸国は、軍事力で圧倒的に劣るイスラエルを、存在自体を認めないという理由で、抹殺しようとしたのです。
それで自分達が負けたのに、土地を返せというのは虫が良すぎると思います。
パレスチナ人の国は、もうありません。
ただイスラエルの中に自治区があるのみです。