高弘さん。
確かに、独裁は良くないですよ。私も、個人崇拝の押し付けは、まっぴらごめんです。
しかし、同じ独裁政権であっても、国民に対して人権侵害をしている政権であっても、その政権が、親米であるなら、アメリカは、黙って、何も言わないのです。
アメリカにとっては、その国の政権が親米で、自分たちのいう事を聞くか、それとも、反米で、自分たちのいう事を聞かないか、という事が問題なのです。民主主義的な政権か、どうかが、評価の基準になっているのではありません。
ですから、過激派によるテロへの報復と称して、パレスチナ人の人権を抑圧し、パレスチナ人の生存権を脅かしている、イスラエルのシャロン政権を、アメリカは支持しているのです。アメリカの同盟国という理由で。
逆に、南米のチリで、民主的な選挙によって、社会党のアジェンデ政権が成立した後、権益を守る為、アメリカ政府は、アジェンデ政権を打倒しようとしました。そして、アメリカ政府が糸を引いて、ピノチェットに、クーデターを起こさせ、選挙で選ばれたアジェンデ政権を打倒したのです。
その後、ピノチェットは、軍を基盤とした独裁政治を行い、自分の反対者、自由と民主主義を求める人間を弾圧し、国民に対して、多くの人権侵害を行ないます。しかし、アメリカ政府は、そのようなピノチェット政権を、一貫して、支持し続けたのです。
それは、チリだけではありません。アルデンチンなど、他の、南米の軍事独裁政権に対しても、アメリカ政府は、支持し、様々の援助を与えていました。中南米における、アメリカの権益を守るためです。
アメリカ政府にとっては、民主主義的な政権か、独裁政権かは、問題ではないのです。その政権が、親米で、アメリカの持つ、経済的な利益、権益などを守ってくれて、自分達の言いなりになるかどうかが、問題なのです。
今度の、アメリカによる、イラクへの侵略についても、本質は、今、述べた事と同じなのです。