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「イラク戦争」討論欄

長壁さんにお答えしたい

2003/4/28 しんぶん白旗、30代、団体職員

 長壁さんの、丁寧なご意見に感謝申し上げたい。個人情報保護問題に関する力強い提起に共感を覚えたし、反戦・平和に向けた強いメッセージも感じた。
 ただ、イラク問題については私の認識を、やや誤解されている様子なので、長壁さんの質問に答える形で真意を説明したいと思う。
 【問】は長壁さんの質問、【答】は私の回答。長文になることをお詫びしたい。

●武力攻撃による内政干渉の原則禁止

 私は前回投稿で、高弘さんが示した「武力攻撃による内政干渉の原則禁止」という考え方に賛意を示した。これに対し、長壁さんから質問とご批判を受けた。以下、具体的に回答したい。

【問】この受け止め方は、アメリカの側に立ったものだ。
【答】アメリカの側に立っているつもりは、微塵もない。他国の武力攻撃による内政干渉の原則禁止は、私が訴えてきた主張そのものである。当然、私の言う「他国」には米国も含まれている。それは、私が前回記事に付けたタイトル「米国は民主化の伝道師にあらず」を見れば、疑念の余地はないと思うのだが…。その私が、なぜ「アメリカの側に立っている」との御批判を受けたのか、正直、戸惑いを覚えている。私の文章が稚拙で真意が伝わらなかったか、そうでなければ長壁さんの誤読のいずれかではなかろうかと推察する。
【問】イラク国家に対するアメリカの内政干渉という視点はどこにいったのか。
【答】何度も繰り返すが、今回の戦争は米国による、何の正当性も見受けられない内政干渉だというのが、私の揺るがぬ見解であり、信念である。このような御質問を受けるということは、私の文章がよほど舌足らずであったか、長壁さんの誤読のいずれかであろう。恐縮だが、もう一度、私の前回記事を文末まで読み直していただきたい。真意はきっと理解していただけると思う。
【問】アメリカの行為は、イラク国家に対する内政干渉そのものではないか。
【答】私としては「国連決議を経ない米国の侵攻は許されない」と繰り返し訴えてきたつもりである。故に、長壁さんとの認識の違いはないと受け止めている。

●例外的に認められる内政干渉について

 私は前回投稿で、高弘さんが内政干渉禁止ルールに関し「(対象が)国民に参政権を与えていない独裁国家の場合は、その限りでない」との見方を示したことについて「大筋賛成できる」と述べた。その上で「この重大決断を行う資格がある機関がこの世に存在するとすれば、それは国連を置いてほかにないと考える」と、持論を明記した。長壁さんからの質問と反論に回答したい。

【問】独裁国家であろうが、偽民主主義国家であろうが、それこそ、内政干渉であるという原則があります。
【答】その通りである。それに反対する意見を、私は述べてはいない。
【問】選挙権があるのないだのといいいますが、ちなみに、ブッシュの選挙の欺瞞をご存知ないのでしょうかねえ。みなさんは・・・それは、ともかくとして、他国の内情をとやかく言う資格はアメリカ一国にはありません。
【答】その通り。私は後段で「米国一国にそれ(武力行使の判断)を委ねることが民主主義の理念に合致しているとは、私には到底思えない」と、長壁さんとまったく同じ趣旨のことを書いている。故に、長壁さんが、私の論旨のどこに「ひとこと申し上げたかった」(長壁さん)のか、大変申し訳ないが、真意を測りかねている。

●国連の武力行使容認について

 私は前回投稿で、高弘さんの「独裁国家が国民に対し、非人道的犯罪を犯した場合、国際社会は武力行使を容認せざるを得ない」との見方に、賛意を示した。
 これに対しても、質問とご批判をいただいた。以下、回答したい。

【問】(武力行使容認をめぐる判断は)その後に記していらっしゃるように、国連の土俵にのってからのことでしょう。
【答】その通り。まさに「その後に記している通り」である。
【問】なぜ、みなさんの多くは、ある程度の認識がありながら、こうして、アメリカよりの土台にすりよるのでしょうか。
【答】長壁さんの指す「みなさん」が誰かは具体的には存じないが、少なくとも私はその中には入っていない、と信じている。それは、これまでの私の記事を読んでいただければ明白ではないか、と考える。
【問】(どうして)アメリカのプロパガンダに、するりするりと、のるのでしょうか(しんぶん白旗さんの場合は、気分的なことに関して)。
【答】この問いは、残念ながら意味が汲み取れなかった。「気分的なことに関して」とはどういう事象を指しているのか、教えていただければ幸いである。

 結論としては、長壁さんのご意見を拝読した限り、私との認識の違いはなかったように思われる。ただ、私自身、読解力の低さゆえに、長壁さんの文章を誤読している可能性も否定できないので、今回の私の回答を読んでなお「食い違い」を感じられたら、再度質問を寄せていただきたい。時間が許す限り、詳細にお答えしようと思う。