昨日のアルジャジーラバクダッド支局への米軍のミサイル爆撃、 アブダビテレビ、ジャーナリストがはいっているパレスチナホテルへの米軍の砲撃(アメリカ軍発表によれば、自衛権の行使(!)だそうで、ジャーナリストを意図的に狙ったものではないとのことだが)によって死傷者が出たことを報道したTBSテレビで、アナウンサーが、概略次のようなコメントをしていた。
「アルジャジーラはイラク寄りの報道をしているということで非難されていた。また、アメリカ軍に従軍している記者たちも、結果としてはアメリカ側の情報戦に加わっていることになっていることに気付いている。メディアも中立ということがなかなか言えない状況で、兵士とそこで取材している記者は区別されない面がある。はっきりしてきたことはメディアも自分の身は自分で守る必要があるということだ。」
遅きに失したかもしれないが、その覚悟に期待したい。
パレスチナホテルでなくなったロイター通信のカメラマンを病院へみまった日本人ジャーナリストは、カメラマンの遺体がイラク人たちのなきがらと並んでよこたえられているのを見た、と語っっていた。
アルジャジーラ本社は会見で、「報道していることを逐一米英軍に伝えていたのに、」とアメリカを非難するとともに、特派員の安全をこれ以上保証することができない以上、バクダッドを退去すると述べ、米英軍に退去の安全を保証するように交渉していると語った。
TBSのそのあとのニュースは皇室の話題、美智子皇后の実家解体、皇太子妃と紀子様の話題だった。
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(追記) 私は東京新聞と毎日新聞の差異についてはあまり偏見を持っていないのだが、本日朝刊に見る、米英首脳のベルファスト声明の評価に関する限り、まったく正反対のものだった。
東京新聞は、
〈米大統領「国連、人道で重要な役割」 英首相と共同会見
戦後処理 主導譲らず〉
との見出しで、「国連、人道で重要な役割」が特別大きくなっている! 内容もそのように書いてあった。戦後処理については、国連に対して英米両国が主導権を譲らないのだという主旨になっている。
毎日新聞の見出しは
〈イラク戦後復興 米国主導路線譲らず ブッシュ大統領
英首相との会談で〉
となっており、「米国主導路線譲らず」が大きく、「イラク戦後復興」は豆粒のように小さい。アメリカがイギリスの国連尊重民族自決(!)路線に譲らなかったのだとしかとれない。国連については、本文中に
戦後復興について「国連に死活的役割がある」という表現では合意したが、人道支援と暫定政権の承認以上の内容をしめさなかった
となっており、国連に、暫定政権(かいらい政権)を承認させることが米英侵略者にとって死活の問題である、ということをはっきり書いている。「重要」ではなく、「死活的」である。それは、記事の結論が
ブッシュ大統領は事実上、国連が米英の行動を追認することを求めた。
で終っていることからも明白である。このことに一切触れず、人道支援という美しい言葉を出すことで、この国連と国際世論に対するブッシュのいやしい要求を、覆い隠す東京新聞の姿勢は、「アメリカ側にたって情報戦を戦っている」以外の何者でもない。
「サンデー毎日」だけでなく、毎日本紙のほうも結構なかなかのものだと思う。
トピックス欄4月7日付けにあるK.M編集員の記事にある、ドイツのPDSにこそがんばってもらいたいものだ。