多分この部分は反論があると思っていました。
そのため頭に「基本的に」という言葉を入れました。
菅井さんが説明されている通り例外もあるかもしれませんが、その例は、稀だと思います。
まず韓国についてですが、この国が軍事独裁制を保持してきた事は知っていますが、この国はアメリカの後見によって成り立ってきました。
つまりアメリカの意向によって体制が決められてきたといっても過言ではありません。
民衆が民主化を要求した時点で、アメリカが軍事政権に退陣を要求すれば、民主主義に移行したと思います。
もしこの時点で、軍事政権が民衆を弾圧したらアメリカが軍事介入して、力づくで軍事政権を排除したと思います。
次に東欧ですが、これらの国はソ連の衛星国家でした。
ソ連は、長年のアメリカとの軍拡競争のため経済が破綻していました。
そのため東欧の国は、ソ連の弱体化に伴って同じように国力が低下していました。
ソ連の大統領が監禁され、軍事ク-デタ-が起こって、体制にとどめをさされたのも大きいでしょう。
加えてここでもやはりアメリカの外圧が大きな力となり、ソ連の崩壊によって民主化へ移行しました。
アメリカは、世界各地に米軍基地を持ち、展開していますので、民主化の動きは常にバックアップできる体制にあります。
結局の所、国民の民主化への圧力よりもアメリカの力による所が、大きかったのではないかと思います。
普通に考えれば分かると思いますが、武器を持たない一般大衆が、いくら戦いを挑もうとも、相手は、近代兵器を駆使する軍隊を保有していますから、皆殺しにされるのがオチです。
ハンガリ-動乱や中国の天安門事件やミャンマ-を見れば分かるように、政権側が元気な間は、民主化の要求だけではまず政権の転覆はありえません。
軍事政権が弱体化して、一般大衆側が武力闘争も視野に入れて、なおかつ戦いになった場合大衆側を支援する外国の事後承諾があって、初めて可能性が出てきます。
国民の要求のみによっての軍事政権の打倒は、武力行使抜きでは、ほとんど不可能でしょう。
そんな訳で、やはり基本的に『独裁は武力によってしか倒せない』という結論になります。
独裁体制化では、民主的な考え方を振りかざせば、命の保証はありません。
独裁体制が1日でも長く延命すれば、それだけ犠牲者も増えて行きます。
その国の内部の成熟を待っている訳には行かないのです。
というよりも、そのような受身の姿勢では、永遠に民主化される日はやって来ません。
大勢の国民が、命懸けで戦い、ようやくその可能性が出てきます。
民主化してからゆっくり成熟していけば良いと思います。
『革命の輸出はできない』とありますが、自分の考えは全く逆で、力ずくで押し付けてようやく民主化がなされると考えています。
民主化がなされた後、民主的な考え方が育っていきます。
アメリカの力が及ばなかった共産主義陣営を見れば分かるように、民主国家は、皆無です。