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「イラク戦争」討論欄

テロの種 芽がでて 実をつけ 大きくなって 帰っておいで

2003/4/11 長壁 満子、40代、金融

 もし 私がイラクの民であったなら
 それまでふつうに生活しているというときに
 突然 他国の爆弾が 雨霰と降り注ぐ事態になったなら
 お金もなく 病身だった私は なす術がない

   日米英は 文明の利器とやらを 使って
 イラクの国土を イラクの民を 破壊する

 私の息子は 両手をとばされ
 私の娘は頭を割られ
 そして 私は 両足をやられた
 もはや 自由に 動くことはできない
 私の夫は バース党の職務に従事していたから
 おそらく 殺されてしまったろう
 夫のいたとこは 
 巨大な コンクリートさえぶち破る 兵器で 
 壊滅された というのだから 
 夫は 生身の人間なのだから
 報道によれば 
 そのとき 1000人のイラク兵が 死亡ときいた

 なぜ 私達が こんな目に 遭わねばならないのか
 今 私は そればかりかんがえている
 私たちが なにをしたというのか
 米国に イギリスに 日本に・・・
 何か 悪さをしたというのか

 聞けば 私達の国が独裁国家で
 フセインの 恐怖政治から 解放するという
 よけいな おせわだ
 息子を 娘を 夫を かえせ!
 殺しておいて なにが開放だ 何が自由だ

 少なくとも フセインは 生活を守ってくれた
 普通の 生活者の私たちに 手をかけることはしなかった
 全て平等にとはいかないが 
 医療も 教育も 石油も 心配要らぬ 
 基本的な生活は 守られていた
 経済制裁とやらで 薬が手に入らないのは困るけど
 それは フセインのせいではない
 アメリカのせいでは ないのか
 国連とやらの せいではないのか

 その昔 反政府者を 弾圧したというが
 それは どこでもやっていたことではないか
 政権が 移行するというときは
 抵抗するものはつぶされる

 イランとの戦争をしかけたのは アメリカだった
 乗るのは 悪いと思うが 
 なぜ 米国の罪は 問わないか 
 クルド虐殺は 酷いと思うが
 あのときも アメリカが 糸を引いたのだ
 ならば あのとき よってたかって
 イラクに侵攻 劣化ウラン弾を
 たっぷり落とした米国は 何なのか
 今でも がん、白血病、無能症で苦しむこどもがいる
 おかしくないか
 昨日も ある病院で 髪の抜けた少女が 死んだ
 自分の罪を認めずして なぜ 制裁か

 果たして アメリカは 何なのか
 国益のために 移民を受け入れてきはしたが
 今は 移民を捕らえ リンチ 弾圧しているでないか
 私の米国の知人も 9・11以降 
 イスラム憎悪の標的に されている
 インディアン虐殺に始まる 米国の 驕り
 自国の利益のために
 保身のために
 他国の 人命を 虫けらのごとく 扱う人種

 私たちからみれば 
 アメリカは 地雷である 劣化ウラン弾である
 今後も このイラクの隅々まで 
 放射能を ばらまくつもり だろうが
 それが どういうことなのか
 おろかものには まだ わからないらしい

 さて 今後 私は どう生きようか
 身動きできぬ 両足で
 いつまで 生きられるか知らないが
 死んだ娘 夫 両手なくした息子のぶんまで
 私の両手 私の心 私の頭には
 めくるめく 精気が 宿り始めている
 今 私は アメリカさんが運んでくれた
 民主主義とやらの種が
 私の体内に ずっしりと 撒かれ
 芽吹く気配が 感じられる
 この硝煙のなかで
 不思議に それは すくすく育ち
 太陽目指して 一直線に伸びきる勢いだ

 これで 私は 生きられる
 死にたいからの 復活
 私のなかに 神の声をきく
 アッラーの神 初めて聞く 神の声
 たとい この命が つきるとも
 その芽は 日増しに大きくなり
 やがて 立派な実を つけるだろう 
 その葉は 太く 厚く たくましく
 もうじき 大輪の花が 咲くだろう