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「イラク戦争」討論欄

米英の侵略を問う、第一の訴訟

2003/5/1 菅井 良、50代、自由業

 現在行われている米英軍のイラク共和国に対する侵略行為にたいするイラク人による国際訴訟の動きの表立った最初のものではないかと思いますが、ロイター伝として共同通信30日付は次のように伝えています。

 ベルギーのヤン・フェルモン弁護士は29日、イラク戦争中に米軍の爆撃被害を受けたイラク人19人が来月、ベルギー独自の人道法に基づいてフランクス米中央軍司令官を告訴すると語った。
 独自の人道法は、大量虐殺など人道に対する罪では犯行の場所や被害者、加害者の国籍を問わず、ベルギーに裁判権があると規定している。しかし、現職の外国閣僚(ブッシュ、ラムズフェルドら米政府首脳部のこと…菅井註…)には免責特権があるため、(…中略…)軍人に的を絞ったことを明らかにした。

 原告適格が三月に法改正されて、ベルギー国民か3年以上居住する外国人に限られたため、イラク人による今回の訴訟が不受理になる可能性があると共同通信は付け加えていますが、すでに湾岸戦争中の米軍犯罪について、米軍の爆撃で死亡したバグダッド市民の遺族らが当時のブッシュ米大統領らを今年三月に告訴済みだそうです。

 イラク共和国の国家を根こそぎにしてしまい、未だにまともな治安を確保する占領行政もできていないアメリカに、国家を作ることなどできるのだろうか。イラクの分裂、解体、混乱に加担するだけだということを示す徴候はいくつもある。  それができる者は、米英の不正を問うこの訴訟を試みている19人のようなイラク国民だけである。