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「イラク戦争」討論欄

戦争で真っ先に死ぬのは真実・・そして、勝てば官軍です

2003/5/8 長壁 満子、40代、金融

 朝日新聞5/5付ーーバビロン、大量の人骨 91年の民衆蜂起で虐殺? イラク
 先にインターネットでの記事に触れた内容であるが、今回は、私の指摘が効いたのでしょうか。人骨らしきものが、クローズアップで写真掲載されています。
 ーー91年のイラク民衆蜂起時にフセイン政権に虐殺された人々のものらしい。湾岸戦争の91年、3月、イラク各地で大規模な民衆蜂起が起きた。だが、米国が非介入の態度をとるとみるやイラク当局が弾圧に動き、最終的に全国で10万人が殺されたともいわれる。
 こうした記事を読んで、人々は「やはりね、今回、イラク戦争の巻き添えで死んだ人は災難だったけれど、フセインに弾圧されて殺されていった人々のことを考えると、独裁政権が倒れてよかったね。米英の武力行使は仕方がなかったね。」とおもうのでしょうか。
 5/8日付ーー過去 もう話したくない フセイン体制時 捕虜16年のクルド男性 の例
 80年~87年続いたイランとの戦争で、フセイン政権が多くのクルド人を前線に送り込んだ。体制への不満分子と見たからだ。(?)
 そうした一人、イブラヒム・ハレドさん(45)、19歳で徴兵、イラン南部でイラン軍に包囲され、約、7000人の捕虜とともに、テヘランの収容所に運ばれた。87年に脱走を試み、失敗、朝から晩まで殴られ続け、ほとんどの歯が折れた。フセイン政権は88年3月、イラン国境に近いクルド人の町ハラブジャを科学兵器で攻撃、5000人が死んだ。・・「フセインは、国のために戦い、捕虜となって戻った人間をまともに面倒もみなかった。政権が崩壊するのを見て、自由になった気がする」。イブラヒムさんは無表情に話した。
 こうした一連の記事を読むにつれ、わたしは過去日本軍・日本国家がやってきたことを、おもうかべます。日本人はもとより、各アジアの人々になされた非道、前線におびただしい人々を盾としてつかい、何十万という人々の強制連行、強制労働で死ぬまでこき使い、ろくな埋葬はおろか、人体実験までやるマルタ扱い、電柱には、5,6個の生首、何百という虐殺遺体が折り重なった写真をみました。
 戦争というのは、何時の時代でも、殺し殺されるという狂気です。戦争を仕向けられる側、侵略される側にとっては、あらん限りの防衛、自衛を試みるのは当然でしょう。ましてや、架空でもなく、想像でもない、今目の前で残虐兵器の人体実験をみせつけられれば・・・・アフガンで、イラクで・・
 イラクのフセインの罪業は、日本はもちろんのこと、どこの国でも行ってきた、権力闘争の一環でしょう。こうした戦争犯罪は、国際刑事裁判所できちんと裁くことしかありません。そうすれば、アメリカの共犯性も、誘導の罪も明らかになるでしょう。多国籍軍のプロパガンダに乗った罪も断罪されなければなりません。
 今現在、何よりも、ジャーナリズムが、朝日新聞がやるべきことは、アメリカと日本の汚い動きを牽制することでしょう。次つぎでてくる米国の危険な野心、蛮行、イラクの人々の本音を明らかにすることでしょう。反フセインの極々、一部の特殊な例を、日米の土台から取材するのではなくて(侵略側の人間にいうことはかぎられています)、イラク側の視点、被害者の視点で掬い取ることです。
 今回家族を、米英に殺された多くの人々の本音を、一面を割いて、連日とりあげたらどうか。劣化ウラン弾の更なる汚染度然り、この度の戦争によって、先の戦争の被害者はどうなったのか。米軍のジャーナリスト虐殺・デモ隊への発砲は、きちんと、検証なされているのか。一刻も早く、米軍の罪を裁くように、世論を喚起してはどうか。
 個人情報保護法案なる、まやかし有事法案が通ってしまうが、朝日は、最後の使命さえも破棄したのか。朝日の政治部は、はやばやと右翼が乗っ取ったのか。小尻記者の事件も時効となり、真実は、どんどん、消されていくばかりです。
 有事法案にしても、民主党案の欺瞞性も指摘できないとは、余りに情けない。私達読者は、この朝日の戦争加担ぶりを、しっかりと、記憶したいとおもっています。
 オピニオン欄で、「国際化 人種差別なくすことから」のジョエル・アソグバ(絵本作家・語学教師)さんの意見でかろうじてもっているような朝日です。
 名実ともに、戦争体制下、どうたたかうべきか、獏としてわかりません。