私の予想通り、パレスチナをはじめとする世界で、テロリスト・テロ国家の蛮行がくりひろげられている。国軍、治安、テロ掃討の名のもとで・・・そして、これに異を唱える声のなんと、小さいことか。
6月23日付、朝日(国際)
「ハマス幹部を射殺 イスラエル軍」--ヨルダン川西岸パレスチナ自冶区ヘブロン中心部で21日夜、イスラムハマス軍事部門幹部のアブドゥラ・カワズメ氏がイスラエル軍に射殺された。カワズメ氏は、ハマス軍事部門の西岸地区幹部とされる。・・シャロン首相は22日の定例閣議で「イスラエル人の安全のための重要な作線だった」と述べた。
自冶政府から停戦を説得されているハマスは、テロ停止の条件の一つに「イスラエルがハマス幹部の殺害を停止すること」を挙げており、カワズメ氏射殺でハマスが態度を硬化させる可能性がある。
自冶政府は「テロ停止を目指すパレスチナ人の努力に水を差すものだ」と反発している。
そして、一方
「イスラエル軍撤退に言及 外相(イスラエル) ガザ・ベツレヘムから」と、寝言をいわせている。
--ヨルダンで開かれた世界経済フォーラム年次総会の特別会議に出席したイスラエルのシャローム外相は22日、「イスラエルはガザとベツレヘムから撤退する用意がある。後はパレスチナ側が(治安)の責任を引き受ける用意があるかどうかだ」と、両自冶区を対象に治安協力を行う考えを記者団に述べた(????????)。
シャローム外相は自冶政府との合意は「近い」との見通しを語ったが、自冶政府側は、過激派(シャロンの方が過激?)がテロ停止におうじていないため即時受け入れに消極的とされる。
こうして、25行5段程度の記事の中でさえ、注意深くよむと、矛盾だらけの、アメリカ・イスラエルの意図が透けてみえます。先に、私は、パレスチナ国境の検閲所でのテロに疑問を投げかけ、それでも、自冶区での停戦を宣言したハマスを紹介しました。イスラエルは、ハマス根絶作戦で空爆を強化した11日以降、「パレスチナのテロ集団とその指導者を徹底して、皆殺しにする」意図を露にしています。
真に、裁かれるべき、根絶されるべきは、こうした、自冶区への侵略者であり、国家の錦を御旗に、パレスチナ人、パレスチナ人の生存のシンボルといわれるハマス活動家を殺戮せんとする、イスラエル・シャロン、そして、殺害計画を着々と練っている米国・ブッシュ政権です。ちなみに、今まで、自冶区に於いて、パレスチナ人がイスラエル兵?以外を犠牲にしたことがあったでしょうか。
その前のサウジでのテロへの疑問も検証されていませんが、メディアに飛び交う、中東和平のロードマップなど、政治的用語にすぎません。
アメリカとイスラエルの「ホロコースト」を、いかにやりやすくするか否か、いかに虚偽の口実に使えるか否か、その都度、薬味程度に、引用されます。
マスコミが、米国のフィルターを通して情報を垂れ流す限りにおいて、真実は、日本国民にはつたわりません。「テロはどんなことがあってもだめ」などという、短絡的な思考停止の人間はもちろんのこと、普通の思考力をもってしても、メディアの情報操作に抗うことは、困難をきわめます。それこそ、メディアリテラシーの用語解説からはじめなければならないのですから。
ですが、現実は、着々と、正義を主張する「異議申し立て」は、封印され、「てろりすと」といわれる人間的なパレスチナ人は、世界支配の犠牲になっていきます。軍需産業は、ますます栄え、「テロリスト」は、国境を越え、世界各地で異議申し立ての叫びをあげ、「テロ根絶」戦争が拡大されていきます。
テロ根絶掃討の箒を握りたがっている日本国も、いい気になっていると、その箒で、自らが、根絶されることになるやもしれません。真実と良識という、ほんもののテロ掃討作戦がおこなわれるときが、必ず、来ると思います。