その昔 日本という 小さな島国にも
きらきらと 光を放つ 太陽の日差しが あった
暗黒の 雲が たなびき
今にも 暴風雨が 到来せんとするとき
敢然と 立ち上がった 偉大な力が あった
コ バ ヤ シ タ キ ジ という 魂 が
幾千 幾万の人びとと 連帯し
この暗黒に 挑んだ時代が あった
ちょうど 今のようなとき
人びとが 安寧と享楽に うつつをぬかし
その実 鬱屈と懊悩に さいなまれているときに
彼は 独り 立ち上がり
ペンを執り ことだまを 磨いていった
日々 雨霰が激しさを増し 雷が 轟きわたる
独り タキジは 闇に向いて 言葉を放つ
ことだまが 言霊を 呼び
幾千 幾万の同志に 響きわたらんとする
黄昏の赤坂の路上で 官憲に「捉えられ
丸裸にされ 牙を抜かれ 拷問死されんとも
その魂は 広く 深く 人びとのなかに 浸透した
”戦いに 敗れて桔梗 多喜二の碑”