一年前、日経のコラムに、「ハマス活動家、その福祉政策等に住民の信頼あつい」といった記事がのったことがある。
以降、こうした視点はほぼ消滅。ブッシュの殺戮、未曾有の脅威が実行されていくに従って、世界の抵抗運動は、露骨に「テロ掃討」作戦の下にくみこまれていく。「反テロ」で一致した各国は、踏み絵に忠実にならざるを得ない。声高に、声低く、あるいは、無言で、このブッシュの殺戮に付き従うフリをしなければならない。
過激な民衆蜂起、民族独立・抵抗運動を地でいくハマス活動家が、ブッシュにとって、もっとも目障りな存在であることは自明の理。今日まで、イスラエルと連携して、多くのハマス幹部を殺害してきたが、ハマスの信念は、いささかもゆるがない。
アラファト議長は、いつの間にか、「テロ掃討を主導する」アッバス首相の台頭で、影が薄くなりつつある。一見聞こえのいい中東和平会談も、見せ掛けのロードマップが実行されるとは、到底おもえない。サウジでのテロは、この会談の前だった。アルカイダなど、アラブ側にとって、このパレスチナ国家に言及した中身は歓迎するべきもので、ご破算にしたかったのは、イスラエル側であった。運良くテロが起こり、一度はキャンセル。ブッシュは、待ちかまえていたように、「テロ掃討」を声高に訴えた。
6月6日朝日に「ハマス闘争継続宣言 現実的対応模索も」とする記事が掲載。
ハマス政治部門幹部のアッザハール氏は
「(イスラエル)の占領と入植地が続く限り、我々の闘争の大義は存在し続ける」
アラファト議長も
「シャロンが現実的なものを何も提示しなかった」と否定的見解をしめした。
ハマスは、「イスラエル国内での停戦を検討し、自冶区内を除外している」という。
このことは、シローとの私の視点からすれば、パレスチナのわずかな自冶区内から、イスラエル軍が撤退しさえすれば解決ではないか。
アッバス首相は、アカバで「場所を問わず、イスラエル人への攻撃を放棄する」と述べた。また、「パレスチナ人は尊厳ある生活を送らなければならない。・・・米国主導の監視機構も歓迎する」と述べるなど、米国の広報係に余念がない。