7/7日付しんぶん赤旗6面・国際は、「パレスチナ・イスラエル 動きだしたロードマップ」と題して、ヨルダン川西岸・ガザ地区の地図を載せ、現在進行形の問題点を浮き彫りにしている。現実よりは、かなり、ソフトであるが、枠内でできるだけ中立に検証しようとする視点は、好感がもてる。
この視点にたって、「米政権の関与どこまで」は、
ブッシュ政権がパレスチナ問題を「反テロ」の枠組みと 米国の国益からだけみるのなら、アラブ諸国の期待に反してロードマップからの後退もありえます。
ーーとむすぶ。
ちなみに、この欄担当は{カイロ・コイズミ大介、ワシントン・浜谷浩司、外信部・伊藤元彰 島田峰隆 伴安弘記者。
一方、国際7面には、「チェチェン武装勢力のテロ 紛争 解決に暗雲」として、自爆テロのあったトゥシノ空港の現場をバスから見つめるロックファンの女性(ロイター)の写真を大きく掲載し、
「治安当局によると、犯人はロシア南部チェチェン共和国の武装勢力と見られる女性ら。武装勢力は昨年10月、モスクワで劇場占拠事件を起こし、その後も自爆テロをくりかえしています。ロシア軍の攻勢で追い詰められ、今年3月の住民投票でロシア残留を内容とする共和国憲法が承認されるなか、武装勢力は一般住民を巻き込む自爆テロに重点を移しています。いかなる口実を設けようと、テロ行為が国民から支持されるはずはありません。」
と独断・断定する。
昨年10月のモスクワでの劇場占拠事件のときの論調も酷いものだったが(朝日は、テロの女性たちの背景に迫り、政府の圧政と拷問・虐待を詳細に報じた)、どうして、この際行われたプーチンのホロコースト(毒ガス殺戮)に一行たりとも言及しないのか。
こうした、{テロ掃討作戦}の側からの垂れ流し情報には大きな違和を覚える。ちなみに、担当の北條伸矢記者は、いつもこの視点である。
この記事の下方、「米軍時裁判に懸念」は、アフガニスタン戦争で英の法律家などが米を批判している記事。
キューバのグアンタナモ基地に拘束しているタリバン兵などのうち6人を、アルカイダと関係のあるテロリストとして米軍時裁判で裁くと決めたことに、英国で強い懸念が表明されている内容であるが。
私の知る限り、何千人かのアルカイダ・タリバン兵は、国連人権委員会も寄せ付けず、野ざらし、バケツでの排泄、目隠し、さらには、耳、鼻等を削除といった拷問さえおこなわれているという。
おそらく、こうしたことがばれるのを、米国は恐れ、全員殲滅したいのだろうが、多すぎて、それもならず、力のあるもの、正当なものから、米軍事裁判で処刑したいのだろう。
国際刑事裁判所の存在をがんとして認めないのも当然である。1、000人のタリバン兵をコンテナにつめこんで、殺したのも、米兵に指示された、今現在、カルザイ政権のもとで暗躍している北部同盟である。
パレスチナとチェチェンの違いは、前者の方が、世界の認知度が深く、また、米国の影響が大きく関わっているかいなかの違いにすぎない。赤旗が、過激派・ゲリラではなくハマス強硬派とか、活動家というようになったのは、ごくごく、最近である。