誰がヒーローと認識されたとしても、「救出劇」の物理的真実がかわらないのは、当然です。
ところが、捕虜を救出したランボー(シルベスタ・スタローン)がヒーローとされるアメリカで、リンチをヒーローとみるアメリカ人と、救出兵士をヒーローとみるアメリカ人とでは、「アメリカ人として」「重み」に差異がある、と考えられます。
つまり、リンチをヒーローとみなすアメリカ人は、同胞愛を発動した救出兵士を軽視している。だからそれに対応して同胞愛も軽薄なものではないか、ということ。
この点をつくことで、微妙かもしれませんが、戦争肯定に働く同胞愛を戒める、注意を喚起させることができるのではないかと思います。
こうした思考は、「救出劇」がプロパガンダかどうかとは独立して、可能なわけです。
ただ、公表するときは、プロパガンダだと断るべきだった。