ロイター通信の映像カメラマンでパレスチナ人のマゼン・ダナ氏(43)が、取材中、米軍戦車から銃殺された。マゼン・ダナ氏はパレスチナ自冶区ヘブロンを拠点に取材、その活動に対し、米市民団体「ジャーナリスト保護委員会」による「国際報道の自由賞」を受賞している。
今回は、バグダッド近郊のアブグレイブ刑務所付近でのこと、16日夜に起きた同刑務所への迫撃砲攻撃を取材するため、刑務所の外側で撮影中にうたれている。
「ダナ氏の最後の映像は、刑務所の壁の外側を米戦車が同氏に向って進み、戦車から数発の銃撃音がしたあと、カメラが地面に落ちていく様子が撮影されていた。」
米軍のスポークスマンは、ダナ氏の向けたカメラを対戦車ロケット砲と誤認して攻撃したとのこと。もうちょっと、ましな言い訳ができないものか。都合の悪い事実が次々明るみにでてくるイラク情勢で、真実を封印したい米軍の狂行は、これで17人目。行方不明者派2人だという。
アフガニスタンもパレスチナも、ますます混迷を深めているが、米軍の狂気もまた、とどまるところをしらない。裏をかえせば、それだけ、プロパガンダが維持できなくなっているということであるが、これ以上、野放しにできることではないのではないか。そろそろ、米軍の狂気について、世界は本気になってかんがえなおしたらどうか。
日本の自衛隊は、自分の身が云々ではなく、このような狂気の手先になるのだという自覚をもったほうがいい。共産党も、もっと、今やられている戦争の本質を、しっかりとみてほしい。今ここでは、綱領云々はいわないが、目のまえでおこっている、非人道的な蛮行をまず、理解してはどうか。
それとも、今秋、日本の自衛隊はこうした米軍の代理として、その未熟さをいいわけとして、何人のイラク人、何人の記者カメラマンを殺すのだろうか。
それにしても、日米軍の取材陣はひとりとして、犠牲はない。アフガン戦争では、イギリス人の女性記者も、日本のフリーライターも、つかまりこそすれ、丁重な扱いをうけて、二人とも、無事にかえされている。