「イラク復興支援に努力する国連事務所が自爆テロ攻撃を受ける、国連の将来を担うエース、デメロ国連代表他17人死亡負傷100人」各メディアは競い合うように報道している。「これでイラクの復興は遅れる」、「自衛隊の派遣は来年に延長か」等の論説入りでー。
おそらく明日以降、ついこの前にもどこかで聞いた様な論調が画面や紙面を埋める事だろう。ブッシュの支持率が上がり、息絶え絶えだったブレアも息を吹き返し「米英のイラク侵略戦争はやはり正しかった」はては「やはり小泉の戦争支持も自衛隊派兵も正しかった」等の意見があふれるに違いない。
我が「赤旗」もこの「自爆テロ」を口汚く罵り非難することだろう、だが「待った」と言いたい。それはこの事によって全世界の幾千万人の人々の戦争反対の声を押し切ってブッシュやブレア又小泉が行なった不正義なイラク侵略戦争の本質は全く変わらないし、その歴史的位置付けも全く何の変化も示さないからである。
現に駐留軍が石油を初めとして奪い取った利権を守る事には熱心であっても、国内のインフラは何ら関心を示さず放置し、病院の医師と薬不足が全く省みられない事等へのイラクの人々の占領策への不満と不安や絶望感の現れ、代弁行為として「自爆テロ」があったとして考えるのが妥当だろう。
「国連は中立的立場でイラク復興支援に全力投入していた、それを攻撃するのはけしからん、あんまりだ」って?それはとんでもない誤解であり事実認識の誤りである。
今朝鮮半島で「核」を装備し金正日を真に恐怖させている駐韓米軍はまごうことなく「国連軍」である、旧ユーゴの国々の状況を見てもわかる、たとえアメリカ単独軍や多国籍軍またNATO軍によって戦争が終結されたとしてもその後を埋めている国連諸機関は何ら中立ではなくアメリカ他帝国主義国、そのグローバル資本の権益を守る為にこそ存在している。
我が日本の悪名高き「ODA」や「海外青年協力隊」が一部例外はあろうが資本の尖兵でありカモフラージの役割を果しているのと同じである。
そもそも戦争開始前イラク国民を守ることが出来なかった国連が戦争の後、火事場泥棒よろしく指導者面して起ち現れた事に、誇り高いイラクの人々か従順に従うと考えるのが誤りなのだ。
現状の安保理のあり方など余りにも陳腐で無力で矛盾だらけである、「国連万能信仰」はもういいかげんに止めよう。
「イラク戦争のベトナム化」はますます進行して行くだろう、駐留米軍には、再三の期間延長と被害の拡大、又、容赦のない酷暑によって厭戦気分が蔓延していると言う。間もなく劣化ウラン弾による被曝被害も現れてくる、米国内にあのベトナム反戦以上の波が倍加して高まり見せるのも時間の問題である。
既に米英以外の駐留軍でもイラクの人々による反撃で犠牲者が出始めている、私達はこの秋から来春にかけて自衛隊をこのイラクに送り込む事を絶対阻止しなければならない、自衛隊員を人殺しにしてはならないし、戦後初めての(公式)の戦死者を出してはならないのだ。
イラクの人々には豊富な石油を武器にした、自立の道が開かれている、全駐留軍は即時退去すべきである、私達も汚れきった「国際貢献」などゴミ箱に捨て去ろう!