私は、強行された米英等連合軍によるイラク侵攻・占領に反対し、連合軍の即時撤退とイラク人自身による民主的国家の樹立を望む者ですが、バグダッドでの国連本部へのテロ攻撃を非難します。
現時点で、国連がイラク「復興」過程に関与することに私は賛成ですが、もちろんそれに対する異論があることも(イラク内外で)理解できます。
しかし、現在私が持ち合わせている知見の限りでは、どう考えてもあのようなテロを許容するわけにはいきません。仮にイラク民衆またはその一部勢力を基盤として、占領米英等連合軍に対する抵抗運動による実力行使・戦闘行為の一環を意図して実行されたとしても、殺傷された国連職員は連合軍構成員ではなく、非戦闘員であり、その行為を合理化できません。
また国連一般の性格や現状についての問題点や、連合軍によるイラク侵攻を阻止できなった国連の限界等を認識することが、このようなテロ行為に同情したり、その犯罪性を曖昧にすることの口実にはけっしてなりません。
このようなテロリズムは、イラク国内における民衆の運動の発展にとって有害なばかりではなく、国際社会からのNGO等も含めた支援を妨げます。それはイラク民衆の生活基盤の確保・復興にも支障をきたすでしょう。
アルカイダ等の犯罪者集団が実行者ではないかという観測が広がっていますが、どのような勢力の者が実行したにせよ、このようなテロを容認する思想は、全体主義に通底してしまうでしょう。