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「イラク戦争」討論欄

テロ容認することの危険(さつきさんへ)

2003/8/26 N.K、40代

 コメントをありがとうございます。

 >1)圧倒的弱者が、圧倒的強者の残虐行為によって命を奪  われ「絶滅」させられようとしている(と思っている)。
 >2)世界の世論や動向に、そうした現実を根本的に変えようとの意志やビジョンが見いだせず、共に「絶滅」の運命を背負った仲間達以外に味方がいない(と思っている)。

 と書かれていますが、国連本部へのテロ実行犯はどのような人々だと想定されて書かれているのでしょうか?

 >N.Kさんの主張は、直接的には彼ら「テロリスト」自身にではなく、「このようなテロ行為に同情したり」、「テロを容認する」者らへ向けられていて、テロリストに同情せず、テロを容認しない思想的立場を確固として確立し、そのような世界中の世論の包囲の力で誤ったテロを思いとどまらせるべきだと、そういう意味に理解しました。

 という点に関しては、まあそうなのですが、イラクにおける①テロを(事実上)容認する思想そのものが、テロリストを支えているということ、 さらに、②テロリストを容認する思想は、「敵を殺せ」「敵の人権を認めない」という全体主義思想とつながっており、③そうした思想がどんなにソフトな仮面をかぶろうとも社会主義・共産主義を主張する人々の一部に根深くあるということをも射程にいれながら投稿したことは、「白状」しておきます。(別に、イラクにおけるテロリストに直接声を届かせようなどと思ってここに投稿しているわけではありません)。

 さて、本題に戻って、

 >「テロを容認しない」としてなされている行為、「テロリスト」の仲間を事前に捉えて処罰するような「警察力」の過剰が、現に前掲1)を構成してもいます。
 もし、自らは安全な場所に居て、隠された野心のために裏で自爆「テロリスト」を組織し煽る者が存在するとしたら、そうした行為者は摘発、処罰されるべきです。しかしその際にも、煽動者の主張が説得力を持つような情況を改める努力が優先してなされていない限り何も改善されないでしょう。

 とのことですが、今回のテロが個人が絶望して思いついた行為とは到底思えまえん。当然、実行者を洗脳し(そこでさつきさんがあげられた1)2)のように認識させる洗脳もあるかもしれませんが)、爆発物を準備し、攻撃目標や実行作戦を整え命令した組織的犯行です。前後しますが、さつきさんは

 >そうした主張が、現にテロの生まれる主因たる前掲2)の状況を追認・強化しています。

 とテロ賛成または容認の態度を批判すること自体が、テロを生む環境を醸成するという転倒したことを述べられていますが、<テロ批判をしないほうがよい>という立場のあなたが、煽動者を「摘発、処罰されるべき」(米占領軍及び指揮下の警察力によってですよね)と言われるのは、矛盾されていませんか?

 >しかし、テロと戦争が圧倒的弱者と圧倒的強者との間で連鎖している時に、その連鎖を断ち切ろうとするなら、戦略のない圧倒的弱者にではなく戦略を持つ圧倒的強者へ向けて、「その戦略は間違っている」と主張し続けるべきです。

 「テロと戦争の連鎖」とは? イラク戦争は9・11への報復戦争ではありませんよ。ブッシュ氏は直結させたかったけれど。
 あるいは、アルカイダ(またはその同調組織)が実行犯だと想定されているのですか? もしそうなら、アルカイダのような反民主主義・反人権・反共・富豪バックアップ、カルト的テロリストが、イラクの状況に絶望して実行したなどということはあり得ないでしょう。
 米英国民の中にも日本などよりよっぽど強く、米英政府の「その戦略は間違っている」とする声がありますが、日本人の私が、<テロを批判するのはやめておこう。それより悪いアメリカ政府を何とかしないと、テロはなくならない>とアメリカ国民を説得せよというのですか? きっとアメリカ国民(だけでなく多くの人が)はそれを<テロ(米本国での可能性)による脅迫に屈しろ>ということだと受け取るのではないでしょうか?
 強者によるものであれ、弱者によるものであれテロリズムは、生命を直接抹殺する暴力と恐怖によって人間精神を屈服させようとする超権力的行為です。それを少しでも容認したら何を失ってしまうか、私たちは近代の歴史の中でいやというほど思い知ったのではないでしょうか。
 尚、旧フセイン政権イラク軍による米英等連合軍への攻撃が戦時国際法に反しない戦闘行為として行われている例については(具体的に確認はしていませんが)、私は上記の「テロ」の範疇にはいれていないことは念の為申し添えておきます。