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「イラク戦争」討論欄

インティファーダ(民衆蜂起)

2003/10/6 長壁 満子、40代、金融

 AとBが戦っている。殺し合いをやっている最中、
 Aを批判・糾弾するものは、Bを擁護することになる。
 Bを批判・糾弾するものは、Aを擁護することになる。
 よって、これだけみれば、ケンカ両成敗敵思考である。
 AとBの戦い。もし、これがひとつの土壌でなく、同じルールでもなく、各A・B 流の土壌とルールであったならどうであろうか。
 Aは最強の残虐破壊兵器を持ち、指先一本で、空から海から(これは日本のイージ ス艦も大いに力を発揮)100人、1000人、一万人単位の人間を消滅できる。
 Bはほとんど素手に近い生身の人間兵器である。唯一、爆弾とともに敵に突っ込む 捨て身作戦しか許されない。満員のレストランに突っ込んでも、せいぜい、20人に満 たない敵の死。そして、こちらには、必ず、確実な自爆テロ実行犯の死と、その何十 倍何百倍もの報復がくる。が、これをやらなければ、表面はゆるやかに、Bの全滅が ひそやかに遂行されるだけである。
 AとBの戦い
 この戦いを鑑賞するものも、AとBにわけられる。
 Aを擁護するものは、今や、Aと同じ、一心同体といってさしつかえない。Aの大 量破壊兵器・核のボタンをおす主体といってさしつかえない。未来永劫続く人間破壊、 奇形児増産に手を貸すことを肯定する、悪魔の手先といってさしつかえない。
 Bを擁護するものは、今や、人類抹殺に続く、巨大な悪にBと同じ側から、人間と して、あらん限りのヒューマニズムを駆使して告発することに他ならない。物理的に は何千、何万倍の大差がありながら、みずからの意思と全存在をかけて、精神的にB と連携する、最低限の人間性をもった者である。
 AとBの戦い
 いや、これは間違っている。
 同列ではありえない。まず、その根源をたどろう。
 そもそも、AがBに進入し、その生存権を奪い、人権を蹂躙し、同胞を大量に虐殺 した。一人の銃を持った兵士がニワトリ小屋に入り込み、素手のニワトリを襲うよう に。
 そして、反撃する人びとを、戦車で踏み潰し、抹殺する蛮行を企てたのが始まりで ある。Bにはこれら戦争の責任はひとかけらもありはしない。
 国際関係とやらの力学のなかで、AとBの「殺戮合戦」は、Aの圧倒する力によっ て、Bへの抹殺・封印が続けられる。Aはその巨大な力をテコに、国連を動かし、世 界のメディアを牛耳り、おもうがままのホロコーストを続行してきた。
 もっとも、明瞭な構図が、パレスチナ問題である。
 A国の意志をしっかりと受け継ぐイスラエル・シャロンは今、A国の親分・ブッシュ からの指令を着々と実行する。
 A国が北朝鮮、イラン、シリアと名指しをすれば、ターゲットに向けて、念入りに 小細工をする。イラク戦争に真っ先に異を唱えたシリア、北朝鮮、イラン。米英帝国 機がイランへの攻撃をしかけている。最中、イスラエルのシリア爆撃が始まった(10 月6日しんぶん赤旗一面七面)。赤旗が光る。
 順序が狂ったかおもいのままか、ともあれ、パレスチナ・イラク・アフガンのイン ティファーダが、思いのほか激しいからだ。シャロンの悪巧みは、ロードマップの分 離壁でも暴露され、あまたのジャーナリスト殺害をして事実を隠蔽しなければならな いほど、真実が浮上してきたからである。
 アフガン、イラクでの民衆蜂起が世論にうったえるのは、都合が悪いからである。 米国の単独・先制攻撃は、国連のアナン氏に批判され、さすがのメディア操作も地に おちた。
 それにしても、ブッシュ・シャロンのケダモノぶりが、ここまであからさまになっ たのは、パレスチナ人の苦悩とその闘い。みずからの命をかけた崇高な精神、続くア フガン、イラクでの民衆のインティファーダ。悪に反撃するそれなりの武装、敵とは 桁違いのそれであっても、世界の耳目をひきつけるだけの、武装闘争集団の協力・精 神的支柱のなせる技である。
 敵はここにきて、更なる「テロ掃討作戦」称して、ブッシュと同じ言葉を叫び、ケ ダモノの咆哮を上げながら、世界に向けて、その審判を問う。
 さて、私達日本人は、この血生臭い殺戮を、ホロコーストを阻止するのか、加担す るのか、が今問われている。
 日本政府は北朝鮮バッシングを口実に、日本の国民を扇動し、排外主義右翼を総動 員して、北朝鮮有事をつくりあげ、近所のそこら辺のおばはんまで「北朝鮮はこわい わねえ~」といわしめ、「北朝鮮から守ってもらわねば」と一億総ばかがえるを洗脳 した。
 かくて、さして有権者の批判もなく、民主党まで一体になって、9割の売国議員の 手で戦争法案なるものが成立したのである。この秋、自衛隊派兵云々は、この戦争法 案が成立していなかったら、問題にはならないのである。民主党をよいしょしたい人 は、ここのところを忘れてもらってはこまる。共産、社民が少々の議席云々といい、 死に票となるなら、戦争遂行社者に票をいれたほうがいいとでもいうのだろうか。
 最初から、どうして、そう、きめつけるのか。ちなみに民主党は、合併しても、1 0%の支持票である。社民共産は3%ずつで計6%である。
 私は、ゆでがえるから普通のかえるまでを対象に、自公民の悪巧みをあばき、自分 たちを苦しめている諸悪の根源を、今こそ、天下にしらしめようといっているのであ る。ゆで蛙は、自分の身になにが起こるかわかっていないからあほがえるになってい るのである。社共に一歩距離を置いているのは、社共のマニフェストをマスコミが封 印するからである。赤旗はせっかく日刊紙という貴重な媒体を駆使しながらも、読者 たるや、あまりに、その意識がやわいのである。編集局の意識も、戦争と国民の意識 付けがとてもへたである。いまこそ、インターネットで、また、他党の媒体でも噂に なるような手法で戦闘的にやらないと、追いつかないことは、明白である。
 くりかえす。この秋、自民・公明・民主の日本政府は、平和憲法をかなぐり捨てて、 悪魔の手先になろうとしている。アラブの民衆を蹂躙・虐待する側に手をそめようと している。殺し屋集団国家と手を結ぶことで、その大量破壊兵器と核が自らに来ない ように防御する。しかし、それは、単なる時間、優先順序の問題である。自公民の方々 は、ここのところが全くわかっていない。いや、わかろうともせず、金儲けの方に目 がいっているのであろう。コイズミやイシバのあの目をみればよ~く理解できる。
 さて、この日本の民度はこの秋、どう動くか。殺人鬼になるのか、否か。日本・世 界・地球を自滅させるのか否か。それは、あなた一人一人の目と頭、そしてヒューマ ニズム精神にかかっている。