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百年間、アラブ世界は欧米帝国主義に分断され植民地支配下に置かれてきた。第一次世界戦争も第二次世界戦争も帝国主義諸国による植民地の再分割戦争であった。
第二次大戦後、アラブ諸国は帝国主義に分断された国境をそのまま引き継ぎながら形式的な独立をそれぞれに持つことになったが、経済的にはやはり日欧米帝国主義支配下にあり、政治的にも支配されてきた。そして政治的に支配から離脱しようとする国家はアメリカ帝国主義を中心とする帝国主義諸国家から攻撃を受けてきたのである。国連は常に帝国主義の世界支配の道具でしかなかった。
アラブ諸国支配のための、イスラエルはアメリカ帝国主義の打ち込んだ楔である。つまりイスラエルを通じたアラブ支配である。イラン革命以前はアメリカ帝国主義はイランをアラブ植民地支配の拠点としていた。イラン革命はアメリカ帝国主義を追い払ったために米帝はイラク、フセインをけしかけてイラン、イラク戦争をさせたのであった。しかしそれは成功せず、イラクが反米的になるとサウジアラビアを拠点に米帝のイラク攻撃が1990年に強行された。これが湾岸戦争である。この湾岸戦争はイラクのクエート侵略を口実として行われた。日本共産党は「フセイン悪玉説」を唱えこの侵略戦争に賛成したのであった。共産党はいらくの経済封鎖を主張した。
このときアメリカ帝国主義は圧倒的な軍事力を世界に、とりわけ日欧帝国主義国に見せ付けるのも目的だった。しかしパパブッシュはこの戦争がベトナム戦争のように泥沼化することを恐れ、徹底的にイラクを破壊し20万人もの軍民を殺害してのち引き上げたのであった。
イラクの大地は劣化ウラン弾によって汚染され、今も将来も子供達が奇形で生まれ続けるのである。そしてイラクに対する経済封鎖が国連によって実行され、イラク人民の生活はどん底に置かれ、衣料品もなく長期にかけてイラク人は殺され続けてきたのである。経済封鎖とは長期にわたる殺人に他ならない。
しかも大統領が息子のブッシュの代になるとイラクがテロリストをかくまっているという最初の理由が証拠付けられなくなれば、大量破壊兵器を理由にし、その証拠が見つからねば、フセイン独裁からイラク人民を開放する、民主主義を与えてやるという理由を付けてイラク攻撃を行ったのである。理由は何でもいいのだ。目的は石油とアラブ支配なのである。明らかな帝国主義戦争なのである。
非常にすっ飛ばして概略を書いたが私が言いたいことはアラブおよびイスラム世界は帝国主義の餌食となって百年間も苦しめられ続け何百万もの人民が帝国主義に殺され、資源を奪われ、貧窮に陥れられてきたことである。アラブの国家は帝国主義によって分割された国家であり本来は緩やかな国境があったに過ぎないしイスラム圏はアッラーを神とし，日に五回肩と肩をお互いに擦れ合わせて大地にひれ伏して祈ることで、イスラム教信徒・ムスリムは平和に仲良く生きてきたのである。イスラムの中に国境は他の世界のようにないのであろう。しかしシーア派、スンニ派といった宗教的な派閥があったがその派閥間に憎しみを植付けたのは帝国主義である。
今イスラム世界は帝国主義に対してアラブ、中央アジア、インドネシアにいたるまで国境を越えて団結をし反植民地の壮大な戦いを始めたのである。その戦いはすべての白人を敵にし、白人に追従するすべての国家に対しても敵にして文字どうり全生命にかけたものである。その舞台こそはアメリカ帝国主義が支配したイラクとアフガニスタンである。この戦いはイスラムのアイデンティーを守る崇高な聖戦である。そして経済力も武力も僅かしか持たないモスリムの戦術はゲリラとテロである。そのテロが無差別だという非難が自称ヒュウマニストにあるが非常に選別された組織的なテロであることをわざと理解していないのである。アメリカの貿易センタービルには各国の企業戦士が世界の労働者、農民からの搾取、収奪された貨幣の取引のために働いていた。その巨大ビルは世界経済支配の象徴であった。ペンタゴンは言わずと知れたことである。不幸にして航空機の乗客や貿易センタービルの労働者が巻き添えを食って犠牲になったが、アラブ百年の植民地支配に抵抗するための必要最小の犠牲である。そのような犠牲が出るからテロをやめろ。反植民地闘争を止めろというならば反革命であり帝国主義の手先である。日本共産党もその役割を果たしていたのは私が以前に書いたとおりである。テロや暴力を否定してイスラム世界の何千万、何億の人民が永遠に奴隷になり、殺され続けることがヒューマニズムならば共産主義者はそんなヒューマニズムを唾棄するのである。ヒューマニズム、デモクラシーを超階級的なものというならばそれはブルジョアジーのものでしかない。共産主義者が追求するのはプロレタリアのデモクラシーでありそれはブルジョ・・・（文字化け）・・・。