「お釈迦様の言葉に人を殺せという教えはないでしょう。昨日閣議でイラクへの自衛隊派兵を、公明党の神崎さんが小泉と一緒になって決めたんですね。」
近所の酒屋さんの奥さんはこの辺りの創価学会の支部長です。
「アメリカとの関係でそうしなければならなかったのでしう。」 彼女はそういって逃げを打つのでした。
「でもまさか仏教の信者たるものが自衛隊員に人を殺せというのに賛成できるのですか。」
「自衛隊が行くのはイラクの復興のためだといっているんですけども。それに小泉さんは戦闘に行かせるんじゃないって言ってるわ」
彼女の返事はだんだん濁ってきます。
「へー、復興のために機関銃や戦車が要るのですか。兵隊が行けばイラク人が攻撃してくるのは当たり前でしょう。それに米軍の肩代わりに行くのですから自衛隊はイラク人を殺しますよ。」
「テロが日本にやられるのでしょうか。」
「当然でしょう。日本がイラクを荒らすのだから。文句肺炎のです。それもこれも自衛隊をイラクに派兵させるからだし公明党が反対すればできなかったことです。」
そんな話をしているところへ酒を買いにお客さんが来て残念ながら中断されてしまいました。
もしも創価学会の方がこれを読んでくださるのであればどうか考えてほしいと思います。
私は67歳。戦時中は国民学校2年生でした。母の弟つまり私の伯父は海軍下士官でフィリッピン海峡で軍艦もろとも沈められました。戦後になってから伯父の戦士を知ったのです。祖母は、息子の戦死を信じられぬままに昭和30年になくなりました。「国雄は生きてる。きっと帰ってくる」と言い続けていました。死ぬまでお金を貯めて江国寺という寺に墓地を買いました。祖母は国雄というその息子と二人だけでお墓に入れてほしいと遺言をしていました。いつしかその墓も忘れられ、去年私の兄弟が行きますと卒塔婆が朽ちていたということです。だがその地底で母は子を今も抱いていることでしょう。
あのころどこの家にも誰かが戦争の犠牲者のいなかった家はなかったのです。総近くの古い墓地に言って御覧なさい鉛筆の当にとがったお墓が戦死者の墓です。二十歳そこそこの若者が中国や東南アジアで戦死したことが刻まれています。
私は、焼け跡の中を復員兵が帰ってきて、灰になった元の家のあとに立ち尽くす姿も見てきました。
貯水池の土手に廃材を集めて作った小さな低い小屋がありました。そこに病気の母と10歳くらいの女の子が寝起きしていましたが冬のある寒い朝母親が死んでしまい、小屋も取り払われていました。少女が役所の人にどこかに連れて行かれるのを見た記憶は今も鮮明です。きっと孤児院に連れて行かれたのでしょう。イラクには今はたくさんの孤児がいるでしょう。お父さん、お母さんがアメリカ兵に殺されて孤児になったのです。沢山の小さな子供達が劣化ウラン弾の放射能で奇形児にされています。
「阿修羅」というホームページにはある米兵のインタビューが載っています。この兵士が部隊と共に作戦行動をしていた時のこと。前方にイラク兵の乗り捨てた軍用車両がありました。そこには多分孤児たちだろう、7.8人の子供達が車両の中から食料を探していたのですが、米軍機が飛んできてクラスター爆弾を投下したのです。すべての子供達の手や足がばらばらになって吹き飛んだというのです。
復員兵同士で戦地の話をするのを私達子供はいつも聴いていました。中国人の首を切ると、濡れタオルを勢いよく振ったときと同じ音がするのだとか、慰安婦を抱いた話とか、子供が傍でいるのに聞くに堪えない話を平気でするのでした。
私がこんな話をするならば尽きることはありません。
第二次大戦中、戦争に反対して投獄されたのは共産党員ばかりではありません。クリスチャンや仏教徒も投獄されていたのです。仏教の本当の信者ならば投獄されても処刑されても戦争に反対します。
創価学会、公明党がなんでイラクに自衛隊を派兵させるのですか。復興ならばイラク人自身ができるでしょう。たった今イラクを破壊しながら何が復興なのでしょうか。今なすべきことは米英軍を直ちに撤退させることと自衛隊イラク派兵兵反対することではありませんか。創価学会、公明党は憲法9条に真っ向から違反する海外派兵をなぜ率先してさせるのでしょうか。
この戦争の本当の理由はイラクの石油を奪うためのものです。自衛隊は日本の資本家が、石油の分け前をアメリカの資本家から貰うために派兵させられるです。イラクをアメリカ帝国主義と共に植民地支配するのです。そのために幾十万ものイラク人が殺されているのです。イラクの人たちも、イスラムのすべての人々も当然命がけの抵抗をします。爆弾を腹に巻いて米軍にぶつかっていったり、トラックに爆薬を積んで占領軍に突っ込んでいくのです。イラクにいるどこの国の軍隊も侵略者なのです。こういっていい。他国の軍隊が自国にいるならば、その軍隊はいつでも、どこでも、どんな場合でも侵略軍なのです。
イラク人ともスリムの必死の抵抗に対して米軍は掃討作戦をします。11月25日のバグダッド掃討作戦で1500人のイラク人が捕らえられ50人が殺されました。捉えられたイラクの男達は行方不明です。人々の家は破壊され女も子供も追い出されたのです。イラクの人民は何を悪いことをしてこんなひどい目にあわねばならないのですか。一体罪のないイラク人を制圧しに自衛隊を派兵することが許されることでしょうか。
日本人外交官二人が殺されたのは数日前で政府は国をあげて二人の死を悼むようにさせているが、彼らはCPA(米英暫定占領当局)のために活動していたから当然狙われるわけです。日本共産党が「この蛮行を許せない」といっているが、この党は反植民地戦争の味方か、敵かどっちなんでしょう。国連が統治するまで米英軍の占領支配を認めると赤嶺議員が代表質問で言ったのですが共産党の本音だったと聞けば怒りを覚えます。国会にかけらほどの正義もありません。
イラク人が何千人殺されようとも日本政府は一言も言わないくせにたった二人の外交官が殺されただけで痛ましい犠牲者だといいふらし、国民感情をイラク人を憎む方向に持っていこうとするのでした。自衛隊員が死ぬことを政府は期待しているのではないかとすら思います。そうすれば彼らの死を無駄にさせるなとキャンペーンを張れるからです。聖教新聞はどう書くでしょうか。
自衛隊はイラク人を殺します。イラク人を殺しに行っているのですから。わざわざイラクまで人殺させる為に公明党、創価学会は自衛隊員を送り込んだのです。ブッシュやラムズフエルドは小泉の英断を高く評価しています。それは今後朝鮮戦争をするときの憲法というハードルを越えたから、アメリカ帝国主義の世界支配の最もよいパートナーと日本がなったからです。しかしこの自衛隊は兵がアジアの人々にどれほどの恐怖を与えているか、考えられるでしょうか。
中国のことわざに「前事不忘後事之師」という言葉があります。これは「前のことを忘れず、後の戒めとす」という意味で、私達が過去の戦争でアジア人に対してやってきたことを過去のことを蒸し返すというならば再び同じ事をするだろうということです。しかしアジアの人々は決して忘れるものですか。イラク侵略と朝鮮侵略戦争は一体のものです。今イラクへの自衛隊は兵を許したならばすぐそこにある朝鮮侵略戦争に連動するのは間違いありません。私は宗教を信じない代わりに唯物弁証法を思考の方法にしています。ひとつの出来事を静止して捉えるのでなくその出来事がどのような経過から現れどのようになっていくか連関としてみます。私はこのイラク戦争が世界戦争の始まりと見るのです。私達がこのイラク戦争をやめさせることができず、朝鮮戦争をとめられないならば第三次世界戦争は避けられないでしょう。
したがって自民党はもちろんのこと公明党の裏切りは犯罪ですらあります。それを支えているのが、失礼だが、無知で愚鈍な創価学会員です。あなた方が無批判でいてこの日本を支配すればこの国は暗黒時代になります。「知性の眠りは悪霊を呼ぶ」ゴヤ。どうかマインドコントロールから脱出してください。
イラクの現状は戦争中の日本を思い出させます。子供のころ私は毎日毎日の空襲でどんなに恐ろしかったか。どんなにひもじかったか。どうか創価学会の方にお願いしたい。また創価学会に知り合いのある方にお願いしたい。
「南無妙法蓮華経、(ああ法蓮華経のなんとありがたいお教えでありますことか)南無妙法蓮華経」
お経を衆生の幸せのために詠んでほしいのです。お経はお釈迦さまのお言葉です。
あなた方が仏教徒であるならば殺生をお釈迦さまが禁じたという教えを今こそ思い起こしてほしいと。信仰はあなた方の心の世界です。政治に口を出してはいけません、ましてや侵略戦争に国民を動員するなどもってのほかです。私達と共にイラクへの自衛隊派兵に反対しましょう。