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「イラク戦争」討論欄

みどりさんへ

2004/2/7 漂流者、50代、零細企業経営者

 みどりさんへ
 はじめて投稿するものです。綱領改定案が発表されたころ、ちょっとおかしいなと思い始め、本サイトを知り、ちょくちょく見ています。みどりさんに誰も答えていないのが気になり投稿します。
 共産党中央は、イラク戦争の問題点として赤旗号外ビラで、①大義なき侵略と軍事占領に日本が加わること、ブッシュ言いなりの戦争協力、②憲法を無視した紛争地域への派兵、③占領参加は人道支援の条件を壊す、NGOなど非軍事の人道支援が困難と危険にさらされるなどをあげています。
 私は、これだけでは不十分と思います。この戦争の目的は、テロとの戦いとか、世界の危険要因の排除とかを口実にしていますが、アメリカ独占資本と石油メジャーブッシュファミリーのイラク石油利権の獲得、中東とアラブ諸国の政治的支配の強化、OPECの原油価格支配に対して対抗し、アメリカの価格支配力強化などを狙ったもので、帝国主義的な侵略戦争そのものと捕らえるべきだと思っています。500人以上の米兵と、何万人に上るかわからないイラクの人々の命は、これら戦争屋のいけにえにされたようなものです。そして日本の自衛隊は、このブッシュとファミリ企業、アメリカ独占資本の野望や欲望にもとずく侵略の手助けに出かけました。
 考えてみてください。新聞赤旗によれば、NGOなど非軍事の支援活動なら、1億円あれば8~10万人の給水活動支援ができるそうです。一方自衛隊のサマワでの給水支援8万人に360億円の予算だそうです。では、軍事的、戦略的に自衛隊1000人の派遣がどれほど意味のsるものでしょうか。米軍にとって取るに足らない戦力で、この面で意味があるとは思えません。また、問題を起こせばかえって足手まといにもなりかねません。ブッシュにとって何が必要なのか、それは世界の有力な先進国日本の軍事協力という実績がほしいだけ、大統領選挙を戦う上で、自分の再選に必要な道具の一つとして重要なのだということではないでしょうか。
 一方自衛隊派兵を行う日本の目的は何なのでしょうか。いろんな角度から考えてみる必要があります。小泉、安部、石葉など日本の右翼的政治家が権力の中心に座るようになったこと、共産党中央などは「思考停止状態でのアメリカ追従、」などの批判をよくしていますが、そうした面とともに、私は、日本なりの意思がちゃんとある、とも思います。東京の佐方基さんは党活動版で「今日における日本の軍事大国化の衝動を規定している最も重要な要因の一つは、日本の大企業が1985年以降の円高の中で急速に多国籍化し、世界的な展開を本格的に開始したことである」と述べていることに共感しました。つまり日本の企業が海外に急速に出かけるようになり、さまざまな問題を起こし始めています。雇用や賃金をめぐっての争議や、公害問題、資源の確保、当事国に対しての政治的圧力などを、軍事力を背景に解決する体制を作っておきたいと日本の多国籍化した独占資本家たちが考え始めていることが、憲法改悪、自衛隊の海外派兵の垣根を低くしているというのです。また、イラクの本格的な復興事業が始まれば、米英とともに日本の大手企業もその受注の恩恵にあずかるはずです。・・・(文字化け)・・・自衛隊の幹部たちも、自分たちの役割を大きくすることとして、それなり使命感にもえて、取り組みをしているのではないかと想像します。自衛隊はたぶん侵略への抵抗勢力から、攻撃を受け、犠牲者が出ると思います。そのとき政府や、マスコミ各社は、「イラクの人道支援の中で、尊い命を奪われた、テロに屈してはならない、国益とイラク復興のために尽くした命を無駄にしてはならない、」などと言うんじゃないでしょうか。しかしそれは、私には名誉なことでも、立派な志でもなく、日米の帝国主義的な戦争屋のために殺された犬死にしか見えません。また、政府は、自衛隊員の犠牲者が出たときの対応をどうするのか、必ずシュミレーションしているはずです。右翼的な論客たちは「憲法があるために不十分な装備で出かけ犠牲になった」などと逆に、憲法に対する攻撃を強めるのではないでしょうか。
 問題なのは、自衛隊が今回のことで、実際にイラクの人々を殺し、殺される体験をし、そうした経験豊か(?)な隊員が生まれることです。そしてこうした経験を通して国民世論の右傾化がいっそう強まることです。すでに先遣隊が「今日はどうした、本体の一部がどうした、」など政府広報のような報道が目立ち始め、国民の抵抗感が少なくなりつつあるのではないかと心配しています。
 そして今後アメリカが世界のどこかで軍事介入するとき、日本の自衛隊は必ず出兵する組織に変わりました。今、日本の民主主義と平和にとって正念場だと思います。自分に何ができるか、何をしなければならないのか、あせることもないかもしれませんが、傍観者でいることは許されない時代に入ったと思います。