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「イラク戦争」討論欄

「横レスで恐縮ですが」に応える

2004/2/9 クオリア、60代、労働者

>大儀ある戦争ならやって良いって事でしょうか? 戦争は何が何でも駄目と言う今までの平和主義を根底から覆しかねない主張だと思うのですが。

 国の主権が、理不尽ないちゃもんを付けられて、国土が蹂躙され、妻子や親・兄弟、恋人や友人が殺戮されたら、反撃する戦争に参加するのは当たり前ではないですか。
 大儀ある戦争とは、好むと好まざるによらず、敵と戦い、国と人民を守るのは当然の権利・義務です。
   それが国と民族の存亡をかけた戦争です。座して死を待つような奴隷根性では、話にならない。
 大義名分と言うことは、荘氏日く、大儀は、天下に通じる信念のこと。
 名分とは、大儀に通じる責任のこと。大儀を語るから、彼は名分に縛られる。
 名分を果たすから、大儀は天下に通じる。

 大儀を語り、名分を果たさない。
 彼は、外に対して、信用を失い、さらに、内に対して、自信を失う。
 信用を失うから、人が動いてくれず、自信を失うから、人に期待してしまう。
 進退両難に陥り、ますます彼は世を嘆く。

 すなわち、大儀に任せ、名分を損なう。
 自ら為さずに、人に頼るは、本末転倒。
 大儀、親を滅してこそ、本懐実現を見る。

 つまり、大儀とは、世界に通じる信念、理念であり、名分とは、大儀に通じる責任のことであります。故に、大儀ある戦争はあるのです。

>それは氏が偏見を持っているからでは? 職業に貴賎は無いと思うのですが。

 面白い事にイラク派遣を通じてこの国にねじれ現象が生じました。それまで自衛隊員を税金泥棒やら殺人者などと罵って来た人達が「自衛隊員が可哀想。彼らの身にもなってあげて」と宗旨替えをした事です。自衛隊員にしてみればそれこそ「何でだろう?」でしょう。派遣の大儀云々より。

 偏見呼ばわりをする前に、己の貧弱な尺度を点検してみてはいかがでしょう。
 人の意見を真面目に「批判」するという手法を使う時は、批判する側は、正しいと言う前提が必要です。つまり、自分の批判が、如何なる正しいと言う原理を前提としているのか、そして、自分の考えを明確に表現した上で批判をして戴きたい。
 言ってもいない事を押し付けて、批判をする。アン・フェアなやり方です。私は、自衛隊員の職業の貴賎について、一言も述ていません。自衛隊員の本分について言ったのです。

>君死にたまふなかれは別に反戦歌では無いですが・・・・

 この詩をどう思おうと勝手です。しかし、この詩は、まがうことなき、紛れもなく、「反戦歌」として認知されています。
 日露戦争当時、学校教員だった真下飛泉が作詩した「戦友」と並んで「反戦の歌」とされているのは歴史的な事実である。
 与謝野晶子の「私心」がどうあれ、「不倫は文化」といった某有名人が誰か?自分の子供にあてて「天皇の為に戦って来い」みたいな歌を詠んでいる?とか、そんなケチな次元で、この詩の素晴らしさを讃えているのではありません。
 あの絶対主義的天皇制の暗黒時代に、この詩を書き、「与謝野晶子は非国民だ。危険思想の持ち主だ」の声に、

「私はまことの心をまことの声に出だし候とより外に、歌のよみかた心得ず候」と。

 この与謝野晶子の反戦の真意は、女性の目から見た事の考えを素直に表現したものです。邪まないちゃもんを付けるなんて、見苦しいかぎりです。

 最近、巷間、こんな歌が唄われているのをご存知ですか?
 「イラクへ遣(ヤ)られる自衛隊員へ」
  ~与謝野晶子の弟への詩にあやかって~
                       薄羽蜉蝣・作
   ああ弟よ、君を泣く  殺されたまふことなかれ
   イラクの戦は大儀なき 石油メジャーのためなれば
   米軍指揮下の軍隊は  ゲリラ攻撃免れず
   訓練乏しき君ゆえに  危くも犠牲となり果てむ
   末頼もしき才能を   砂漠の塵にするなかれ

   ああ兄弟よ、君を泣く 殺しの輩となるなかれ
   平和憲法あるゆえに  不殺生戒守りたる
   清き歴史のキャンパスに 血糊の文字を書くべきや
   勇猛果敢に君ゆえに  多く「戦果」を上げしとて
   イラクの民の怨念を  砂漠の砂に染むなかれ

   ああ父君よ、君を泣く 傷つきたまふことなかれ
   妻子を守るためにとて 妻子を持てる彼の国の
   同じ民等に発砲し   殺傷すれば交々に
   同じ家族に悲しみと  生計(タツキ)の難を生ぜしめ
   子々孫々に忘られぬ  恨みを砂漠に撒くなかれ

   ああ恋人よ、君を泣く 心狂わすことなかれ
   ベトナム侵せしかの時も アフガン攻めしその時も
   心優しき若者は    厳しき戦に消耗し
   麻薬に救いを求めしも 永久に心は帰らじな
   愛する者をも忘れ去る 砂漠の幻影とはなるなかれ

   ああ男等よ、君を泣く 犯罪者とはなるなかれ
   戦争放棄の憲法に   背きて造りし軍隊が
   専守防衛の口実で   拡大増強重ねつつ
   海外派兵も可能にし  遂に戦地に赴けば
   人道正義に反逆の   戦犯者とはなるなかれ

 「木を見て森を見ない」「自分の欠点・思惑を相手に押し付け、相手を批判攻撃をする」アブ・ノーマルな性格が印象に残り、何ともお気の毒です。もっと謙虚に、誠と理の尺度(物指し)をもって下さい。