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「イラク戦争」討論欄

日本メディアの限界ーーゆで蛙メディアの犯罪性

2004/3/5 長壁満子、40代、金融

 イラク大規模テローー赤旗報道について
 先に私はイラクでの現地報告を森住卓氏から聞いた赤旗記者・岡崎衆史の記事についてふれたが、3日めの今日になっても、腹立ちがおさまらない。
 3月3日「シーア派祭典狙ったテロ」--米軍は市民保護せずとイラク2都市の爆発を、共産党のシナリオどおりに書いている。
 --どんな理由があっても民間人を殺害するテロが許されないのは当然のことです(このセリフ、何千回きいたことか)。同時に今回の事件は、イラクの治安を維持できない米国によるイラク統治の破たんを明白に見せつけました。
 (はてさて、米軍は占領軍ではないかしら? イラク人の怒りを買い、イラク人民衆に銃を向け、女子どもを殺戮していることを非難しているはずでは? イラク人の主体をとりもどさせることが大切とか言ってませんでしたっけ? ならば、この記事はなんですか。もし、米軍が、まこと速やかにデモ隊やイラク人の抵抗を掃討し、死体を隠蔽し、何事もないかのように武力統治すれば、即ちイラクの治安を武力で確保できればそれでいい???)

 --「凄惨な状況でした」バグダッドで取材中の写真家・森住氏語る
 バグダッドで取材中の写真家、森住卓氏に電話で事件の模様を聞きました。森住氏によると・・・・
 現場の住民は爆発のショックで頭に血が上っており、「米軍がやった、イスラエルがやったにちがいない」などと興奮しながら叫んでいました。
 (この最終行の部分ですが、私は森住氏がこういったとはおもいません。もし、かりに誤解を招くような言動があったとしても、または、岡崎記者自身が興奮していて森住氏の報告を誤解してきいたとしても、ジャーナリズムの視点があれば、こんなお粗末な記事を書きません。いえ、人間としての視点があれば、こうした、イラク人を侮蔑する傲慢な視点はもたないでしょう。そもそも、今の戦争をきっちりとみる思考力があれば、自分の頭で記事をかいていれば。
 また、関口編集局長が文責かどうかしりませんが、懇意にしている森住氏の視点ぐらい理解していて当然でしょう。今回に限らず、イラクでの国連襲撃や大規模なテロ行為は今までも、米軍の関与が取りざたされてきました。9・11でさえ、かなりの部分で、米軍のやらせが実証されています。イスラムの怒りを誘い、直接・間接にテロリストを養成し、アルカイダという存在を錦の御旗にして、米軍が雇った傭兵を駒として使う。今回も、また今までも、常に、テロがおきるときは、それらしいパスポートやらがあり身分が確認できたり、死んでしまったと思われるビンラディンの遺志がまことしやかにさ  さやかれたりしました。
 最近は少女兵も金で雇われると聞きましたが、米軍の民間経営の傭兵のモラルは、まさに殺し屋集団。レイプ・拷問・略奪なんでもござれだそうです。もとヤクザ然としたかたがた、前科のあるお方などを腕っ節だけで雇いはじめているということです。
 ともかく、まともな数少ないメディアでは、テロも検証されていますし、事実が分からない前に「シーア派狙ったテロ」だと断言はしません。
 3月5日のしんぶん赤旗では、「米軍批判相次ぐ」「米は保護怠った」とイスラム宗教者と見出しを掲げますが、怠慢といった程度のことでなく、米軍そのものが大犯罪を冒しているのだという現実を、記者ならばみるべきであろう。普通のゆで蛙ならまだしも、かりにも、ジャーナリストという職務で食っているのではないか。
 イラクの爆弾最中の人々の叫びを聞かずして、「興奮しているからイスラエル・米軍がやったといってる」ですって。現場の爆撃の下にいるイラク人の視線をバカにするなと私はいいたい。ここ一年あまり、爆弾の下から、殺される側から何がみえるか、何を透視しているか。共産党のゆでがるなんぞには想像もつかない真実が見えていると思われる。米国のシナリオになんぞ決して騙されぬ、イラク人の誇りと抵抗精神を、赤旗記者は理解するべきである。
 「スンニ派もシーア派も兄弟だ。我が国を外国人に売り渡しはしない」というイラク人の深い意味をよみとるべきである。外国人といったのかはこれもまた、疑問がある。恐らく、米軍さしてといったのだとおもわれる。日本のメディアは、これくらいの捏造はお茶の子さいさいである。何しろ、サマワでの歓迎を捏造するために日本人の皆さんへを自衛隊の皆さんと、かってに書き換えるのだから。
 最後にいわせてもらうけれど、ビンラディンは恐らく、ブッシュよりは、数段上であると思っている。その理論、その思考、その行動様式、そして、人間性も。ブッシュのひとかけらの正義もない野獣性を冷静に点検してみよう。米軍の矛盾にみちた実態を、見つめよう。過去から現在に連なる戦争というものの正体と本質を。これ以上、プロパガンダに取り込まれないようにしよう。自衛隊の戦死情報を待ち望み、憲法改悪を待ち望む石原、石破、コイズミ、アベの思惑を突き破ろう。そのためには、殺される側の視点が欠かせない。
 3月20日、イラク戦争一年目のその日、森住氏も所属する日本ビジュアルジャーナリスト協会から、権力メディアを監視する写真誌が発行される。