3月14日しんぶん赤旗一面は、12日、スペイン東部サラゴサで、列車爆発テロに抗議する「沈黙の行進」に」参加し、市中心部を埋め尽くす市民の写真を掲げる。
列車爆破テロに抗議するのになぜ、「沈黙」だろうかといった問いはともかくとして、このテロの実行者が誰であれ、抗議の前に、まず、テロの実行主体が問われねばならない。恐らく今までの経過からみても、人々は口々に異議申し立てを叫んでいたはずである。
「テロ、ノー」「平和を」のプラカードを経て、「テロを許さない」という党派を超えて文字通り国民総意による決意が示されるまえに、「戦争テロ」「米軍テロ」が糾弾されねばならない。
7面、国際は、テロ衝撃のなか今日総選挙と題して、「テロ事件が起こる前は与党国民党の優位がつたえられていたが、この事件が様相を一変させ、結果は余談を許しません」とある。
また、テロ発生直後、北スペインバスク地方の分離独立を主張する「バスク祖国自由(ETA)」の犯行と断定した政府に、「情報操作」を疑うと指摘する社説を掲げる有力紙「エルバイス」がある。
ついで、中見出し
<次の標的は伊>イスラム過激派
英国に本拠を置くイスラム過激派組織「アルムハジルーン」の指導者、オマル・バクリ・モハメド氏は、今回のテロは「イラクにおけるスペインの残虐行為」に対する、テロ組織アルカイダの報復だと言明。
犯行声明の内容について、バクリ氏は「生命の主は三つの作戦の決行を誓っている。まず{スペインの死の列車}{イタリアの死の黒煙}{米国の死の嵐}と呼ばれる三つの作戦だ。アルカイダの警告は真剣に受け止めなければならない」と説明。
なにやら、米軍の「ガラガラヘビ作戦」だの「イラクの自由と開放」といったネーミングと酷似しているのも気になりますね。
昨今は、先の日本人外交官の二人の死も、バグダッドの国連現地本部への爆弾テロも、米軍関与が濃厚だとされている。
一方、朝日新聞は3月14日で、アルカイダ幹部・ザルカウイ氏の実像に迫っている。同氏が急速に脚光を浴びたのは2月、駐留米軍が押収した一通のメモ。多数派シーア派と少数派スンニ派の宗教対立を激化させ、イラクを内戦状態にするという内容のメモである。
これに対し、過激派の動向に詳しい衛星放送・アルジャジーラ支局長は、「インターネットや衛星電話を駆使する時代に手書きのメモとは不自然」と米国側の味方に疑問を呈する。仮に、「同氏が関与したとしても、旧治安関係などの協力がない限り、大規模テロの実行は難しい」。
米軍の反テロ作戦の一環であろうが、その一環としてのアルカイダ、過激派と称される一派のテロ行為であろうが、私たちはまず、こうした「悲劇がどうして起こるのか」これによって、「時代がどう、動き、誰が得するのか」と言う真実を、冷厳にみすえなければならない。戦争の本質をごまかされてはならない。間違っても、ゆでがえる軍となって、ブッシュ戦略の「反テロ戦争」に加担し、軍国釜のなかで茹で上がることはあってはならない。
米軍占領戦争の協力国・日本は明確にレジスタンスあるいは米軍の標的になっているのだから。日本は、米国からもはっきりいって、ただの駒である。