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「イラク戦争」討論欄

「サマワ帰還兵から劣化ウラン」の記事を読んで

2004/4/14 コギト、30代、労働者

   以前より、良心的な科学者によって指摘されていた危惧がいよいよ現実のものとなってきた。サマワに派兵されている自衛隊の劣化ウラン(DU)「被曝」の可能性についてである。
 12日のアサヒ・コムの記事であるが、元米陸軍軍医のアサフ・ドラコビッチ博士が明らかにしたところによると、昨年4月から8月にかけてサマワでの警備任務についていた9人の米憲兵隊員が慢性的な頭痛、吐き気、腎不全、免疫障害に悩まされ、4人の尿からDUが検出されたとのことである。
 博士によると「米軍の砲弾の燃焼ダストによる被曝によるもので、現在、駐留中の自衛隊員も被曝の可能性は極めて高い」そうだ。
 かつて、DUによる被曝は避けられず、自衛隊のイラク派兵は隊員への死刑宣告であるといった科学者がいた(『世界』03年10月号のローレン・モレ氏)。そして、その言葉はますます現実味を帯びてきた。
 現在サマワに派兵されている自衛隊員は550人。しかもほぼ宿営地に閉じこもったきりである。その550人についてさえ被曝云々が語らてれているのだ。現地住民にいかほどの影響があるのか、まったく想像を絶するものがあるだろう。
 イラク情勢を語る際、このDU弾の問題を抜きにしてはいけない。自衛官を送り出した家族も、自民・公明の議員も、この現実をどう受け止めるのだろうか。議員たちは「人体の影響はほとんどない」などとまだしらばっくれるつもりだろうか。
 共産党中央も、この問題について最大限、国会を含め追求してもらいたい。この問題はそれこそ人道の視点から最も重く、避けられない問題であろう。そしてすべての党員にこの問題について考えてもらい、多くの人々に訴えてもらいたい。そのことを切に望む。
 この侵略戦争がイラクの人たちをどれほど苦しめ、今後生まれる多くの命を未来永劫絶望の淵に落とすことか。そして、このDU弾問題のまえには、現在行われている「人道復興支援」なるものがいかに欺瞞に満ちたものであるか。
 日本政府は、軍隊を使って給水だの学校施設の補修だのに精を出すよりも、まずこの問題の被害調査・救済に全精力を傾けるべきである。おそらく、被曝による慢性的な頭痛など、上記の障害が現われはじめているイラクの人々はすでに数え切れないくらいいるのだろうから。