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「イラク戦争」討論欄

鎌倉太郎さま、本当にそうお思いなのでしょうか?

2004/4/14 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

 私は今回の3人の若者の行動は、月並みの表現と言え、若者らしい純粋で使命感に 燃え、かつ行動力を伴った素晴らしいものだと評価しています。
 そしてご家族の方々の、我が子や兄弟を思う心とその行動にも、心底から共鳴し感 動を受け、逆に叱咤激励を受けているかのように思っています。
 時間は残されていません、若いといっても限りがあります。
 3人の若者が即時に無事解放され、まず待ち受けているだろうイラクの子供達に歓 迎され、約束を果した後、ご家族の待つこの国に無事帰還されることを願っています。

 彼らの認識では、イラクは既に単なる「外国」ではなかったと思います。
 米・英・(日)帝国主義連合軍に徹底的に破壊され、虐殺され放射能にまで汚染さ れた町に、当たり前の様に出向いて、可愛い子供達に再会し抱きかかえ、時にはご家 族から心よりの暖かいもてなしを受ける。
 それは彼らにとっては極普通の、当たり前の行為だったと思います。
 たまたま彼らが入国した時期が、ファルージャでの米軍による大量虐殺(1週間で 1000人もの虐殺、これは後日ベトナムのソンミ村等と比肩される米軍の残虐行為 として歴史に記録されるでしょう)と遭遇した為に、起こった事件だと思います。
 それに比べ命令によって無理矢理「国」を背負わされ、殺し破壊することを強要さ れる占領軍の兵士とは、同じイラクに行ったと言えど天と地の違いがあります。
 また拘束し自衛隊の撤退を要求した「サラヤ・ムジャヒディン」にとって、そうし なければ米軍の凄まじい攻撃から自らの生命を維持出来ないとの判断も、妥当と言う しかありません。
 彼らが声明で明記しているように、自衛隊は殺し殺される前に完全に撤退するしか ないのです、誰も非難などしません。
 小泉や石破そして川口が口を酸っぱくして言った「人道支援」も「復興支援」も 「国際貢献」も、誰の目で見ても完全に破産しています。
 自衛隊がサマーワでハリネズミ(ハリネズミさんごめんね)の様に縮こまって、3 00億か400億かの私たちの税金を使う事が許される訳がないのです。
 その意味では日本共産党、社会民主党そして陸海空港湾20労組や様々の労働組合、 市民運動の「占領をやめ自衛隊撤退を」との要求は全く正しいのです。
 仮にそう主張したから参議院選挙に負けたと言っても、それは私たちの運動がただ 弱かっただけであり、本質的には既に勝利しているのです、もっともっと闘いを強化 し負けないように頑張るしかありません。
 「選挙に負けるから」と言って白を黒と言い換えることは、もっと大きな、取り返 しのつかない禍根を残すことになります。

 鎌倉さんは今回の事件を、選挙の観点から「拉致問題」と同じだと見られています。
 実は私は昨年の春、偶然と言え、ある拉致被害者のご両親とお会いし、2時間ばか りお話した事があります。
 もうその時は完全に右翼的な人々に洗脳されており、「拉致問題はアメリカによる 北朝鮮への戦争で、金正日をやるしかない」と仰っしゃり「そうではない、もっと別 の方法がある」と言う私との議論は、最後まで噛み合いませんでした。
 しかし、そのとき私が一番感じたのは、私たちの側の致命的な取り組みの遅れです。
 彼ら拉致被害の家族は随分と前から、政府や政党、そしてマスメディアに対し調査 協力と情報の提供、様々な支援を要請していたのですが、その殆どが無視され少ない 情報もカットされて、家族の元には殆ど届けられなかったそうです。
 ご両親は政治やマスメディアへの不信感を強め、今に至っています。
 この閉鎖性が、亡くなったとされる10名の被害者を生み、そして帰国しても今尚、 家族と分断を強いられている三つの家族の悲劇を生んだのです。
 もう少しこの国の対応が早ければ、殆どの人々が帰国、または別の形での解決があっ たに違いありません。
 この事件を考えると、今眼前で展開されている3人の若者の事件との類似性を感じ ざるをえません。

 対面だけ繕い、公開すべきものも封じ込め、家族の切ない願いに、まるで密室で全 てを処理するように、冷たく対応する政府や、視聴率アップのみに精を出すマスメディ ア、これが果たして民主主義を標榜する国での出来事なのかと、首を傾げてしまいま す。
 鎌倉太郎さま、余り選挙の事ばかり心配して物事を判断すると、本質を、何が正し く何が必要なのかを見失ってしまいます。
 必死に娘や兄弟の生還を願う家族に「ご迷惑おかけします、申し訳ありません」と 言わせてしまう私たちの無力と、小泉純一郎の傲慢さ、非人間性が非難されても、家 族の方々と、現地で命の危険に曝されながら頑張りぬいている3人の若者に何の責任 があるというのでしょうか?
 私たちはこの事件を知らされてから毎日、街頭や職場そしてパソコンでのメールと 何らかの行動を行なっています、彼らが無事帰還するまで連日続けていこうと、決意 を固め実行しています。
 鎌倉さんが転勤先でも頑張られることを期待しています。
 明日、3人の無事な解放を願ってこの辺で投稿を終わります。