イラクで武装勢力に、日本人三人が人質とされている事件は、発生から4/14(6日
目)も解放の情報はなく、何とも苛立たしい時間だけが経過して行く。情報の錯綜・
膠着状態が続き、解放を待ちわびる家族たちの中には、疲労困憊、体調を崩す人も出
ています。それでも事態打開に向け要請行動など、必死の取り組みを続けています。
それでも小泉首相は、未だに彼等を激励し労わろうとしない。まさに人間としての本
質を疑うとともに、日本人として深い憤りを覚える。
そんな中、脚本家の倉本聡さんは、拘束された日本人の家族へ、人質になった三人
の無事救出を衷心より祈り、激励の手紙を送りました。
倉本さんは、その中で、一国の総理大臣が、自衛隊撤退という選択肢を最初から捨
ててかかり、一顧だにしない事に怒り。
アメリカの大義なき過ちを指し、それに追従する事が日本の「国益」だとする小泉
首相の愚を糾弾しました。
そして、人格に相当する国格は国益に勝る一国の尊厳だとも喝破しておられます。
また、国家の尊厳、国民の尊厳を考え、国格なき国家は悲しい国家だとも云い、あら
ゆる面子や利害関係を捨て、人の命を考えて下さいとも、小泉首相に諭しています。
これこそ、人間であり、人間たる存在の所以だと思います。
そもそも、小泉首相が云う国益とは何か?
早い話が、彼等、政・官・財の欲望に他ならない。
もっと多くの商品を海外に売りたい。もっと多くの資源をもっと安く買いたい。もっ
とGNPを増やして、贅沢をしたい。
しかし、一国の利益追求が、他国の不利益になるとすれば、考えなくてはならない。
「国と云うものは、自分たちのことだけを考えてはいけない」と日本国憲法の前文
は云っている。
アメリカこそひたすら武力によって国益を追求してきた国なのです。そして、アメ
リカくらい国益という露骨な言葉が似合う国はない。石油利権の強奪、環境問題では
京都議定書の無視、国連には背を向ける。いわゆるユニラテラリズム(一国主義)で
ある。そう呼ばれて国際社会から非難されると、ブッシュは、国益を追求して何が悪
いと開き直ります。
しかし、今、このユニラテラリズムぬ逆風が吹いています。
イラク戦争の失敗に気づいてたブッシュは、また国連にすり寄る姿勢を見せていま
す。
小泉首相の云う国益とは、ブッシュと財界の利益を指して云うのです。ブッシュに
追従して、自衛隊を派兵すれば、あとで復興の仕事や石油利権のおこぼれが貰えると
云う、何とも浅ましい根性です。アメリカの尻馬に乗っていけば、あの朝鮮戦争やベ
トナム戦争のように儲かる。三度の夢を追っているのです。それが、彼等の云う国益
なのです。
小泉首相は、「テロには屈しない」と大見得を切るが、何のことはない、テロに屈
する前に、「ネオコン・ファッシスト」ブッシュに屈しているのです。
この国、日本は、世界で最初で唯一の被爆国でありながら、戦後一貫として、米軍
に基地を与え、「思いやり予算」を提供して来た。どんなことでも、アメリカのいい
なりです。
この奴隷根性丸出しの小泉首相には、日本人としてのプライドを傷つけられる。
ブッシュ・ファミリーの一員どころか、ポチか売国奴である。いっそアメリカ国籍
でもとればいい。
民益は国益に優先し、民益優先こそ国益と考えます。
いまイラクで起こっていることは、テロではない、反米救国の戦争です。彼等武装
集団は、日本政府と日本国民を区別しています。拘束された三人のご家族を見るに忍
びないのは、政府に対して、自衛隊の撤兵を前面に、一声大きく叫べない胸中です。
まさに日本政府の人質となっているようにもみえます。
最高法規、憲法を好きなように蹂躙してのイラク派兵。
法の精神というものは、根本において侵す自由は認めない。
守る自由を認めるという定義があります。
三人の無事救出・解放に向けて、私達に出来ることは何か?
只々、焦り、慄くばかりです。まるで燃えさかる火事を見ているようです。水をか
けたところで、直ぐには消えるとは思えない。しかし、結局のところ、ひたすら水を
かけるしかないのです。一人一杯のバケツの水で火事は消えはしないけれど、一人、
十人、百人、千人、一万人、十万人、百万人、・・・・のバケツリレーになれば、少
し火勢を弱めることは出来ます。
どんな火事でも何時かは消えます。それを少しでも早める為にも、言葉の放水を日
本中に、世界中に続けましょう。
「日本政府は自衛隊を直ちにイラクから撤退させろ!」