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「イラク戦争」討論欄

5/20 さつきさんに

2004/05/24 大歩危 50代 公務員

 劣化ウラン弾の毒性につての科学的調査やその報告については、一般投稿欄5 /20拙稿で少々述べてますので参考にして下さい。
 簡単にいうと米国政府系研究所等は、健康被害はあり得ないとしていますが、NO G等は著しい健康被害があるとしています。
 これらは、それぞれに科学的根拠や統計的に意義があるものとしていますが、寧ろ その主張したい思惑により、自己に都合のよいデータを示すことになっているきらい があるように私は感じています。
 被害者の立場から論ぜよと云うことについてですが、...。
 被害者の立場に立てば、劣化ウラン弾の毒性については尚更慎重に述べなければい けないと思います。
 嘗て米国は劣化ウラン弾どころか、核兵器そのものである原子爆弾を広島・長崎で 一般市民の頭上に投下し、人類史上類を見ない大量虐殺を行ったうえ被爆者を苦しめ、 現在もまた苦しめつつあります。
 その放射線量は劣化ウラン弾の何億倍にも相当するものです。
 広島、長崎は死の灰に覆い尽くされ、今後100年は人が住むどころか草木の一本 も生えないだろうとまで云われました。
 しかしながら、広島や長崎の人達はこれを克服しました。
 そこで現在の日本において、被爆者の方に平均余命や癌の発生率のことや、原子力 発電所に勤務し低レベル放射線を扱う人達に白血病等の病気に罹る率や先天性異常児 出生率のことを述べることについてどう考えますか。
 彼らは被害者の立場と考えられますが、そのようなことを軽々しく述べてもらいた くないと思っていると考えます。
 このようなことを無神経にのべるのは、被害者のかたの人権を冒すおそれさえあり ます。
 これは、イラク国民についても同様であるはずです。
 人質になった方の中にイラクでの劣化ウラン弾の被害について調査に行かれた方が いましたが、仮に十分科学的根拠に基づき、十分な数のサンプルを収集して有意差を 認めたとしても、先天性異常児誕生する確立が高いと断定するのは余程慎重に成され るべきものと考えます。
 ましてイラクは十分な調査の出来る環境にはありません。
 また、そのような事例は劣化ウラン弾の影響によるものか、そうでないものかとい う峻別も大変難しいものであり、多くの検証が必要であろうと思います。
 そのような中で、ある特定の団体や人が発信しているデータを盲信し、イラク全土 が放射能に冒され癌患者が多発し、先天性異常児が多数誕生しているかのような事を 主張することは、人の家に土足で上がるような態度に私は感じます。
 劣化ウラン弾の毒性については、殆ど無毒とする説から、核兵器そのものであると いう説までありますが、その本質的論議よりも寧ろいろんな思惑のもとに政争の具、 または政治的キャンペーンに利用されている気がしています。
 私も劣化ウラン弾が無害だとは思っていませんし、半減期が40数億年あり、殆ど 減衰しないのも事実で、劣化ウラン弾の塵埃を大量に吸い込み、それが人体(例えば 肺)に留まったような場合には健康被害を及ぼす恐れがあると考えています。