ロシア南部カフカスの北オセチアで発生した惨劇の犠牲者に、心よりの哀悼の
意を表します。
ロシアでの旅客機2機の同時墜落事故に続き、チェチェンに隣接する北オセチアの、
学校での子供達を中心とした悲劇は、イラクのフアルージァやナジャフの米軍による
虐殺にも劣らない惨劇となった。
ロシア側の情報操作、情報統制によって未だ概要すら分からない。
約30人の武装勢力による学校体育館の占拠人質事件、だが事件発生時から犯人が
何者なのか、なぜ北オセチアなのかまた人質とされた子どもや保護者が何人いたのか、
また特殊部隊突入時に逃げ出してきた子供達がなぜ上半身裸だったのかなど謎だらけ
である。
人質の数は最初100人それが時間が経つに従い200人、300人、いや100
0人となり、救出された校長の「みんなウソよ、1500人はいる」の叫びと、ます
ます増加する犠牲者と負傷者によって、それらがロシア当局の特殊部隊投入正当化の、
情報操作であったことが明らかにされたきた。
まさしくロシア当局、プーチンのチェチェン制圧には「自国民の命などどうでもい
い」の本音がますます明確になってきている。
世界の石油埋蔵量の5%以上をしめ、原油や天然ガスのパイプラインが走るカフカ
ス地方は、絶対失ってはならないロシアの生命線なのだ。
ロシアへの独立の為、20万人、およそ国民の5人に1人を犠牲にしてまで闘って
きたチェチェンの人々は、これからも闘いをやめないだろう。
これは虐殺され、殺されても闘いをやめないイラクの人々と共通する、民族解放の
闘いである。
それにしてもプーチンは次第にその本性を露にし始めた、確かにイラク戦争には参
加していない、しかしイラク「復興支援」の中に潜り込み、国内ではますますその強
権的支配を強めている。
ロシア再生の同志(石油財閥たち)たちを次々追放し、ブッシュと同じ対テロ戦争
を叫び、スターリンにも比する強権確立に邁進している。
様々なスターリン主義的な土台が残った社会に、無理やり投入された市場原理主義
は、一定の経済的成長は遂げたものの、国民の中にますます貧富の差を拡大させ、チェ
チェンなど民族問題は放置するか、抵抗するものへの弾圧が強化されている。
ロシアにとってチェチェンは終わらない、また西からEU的圧力は強まる。ロシア
に真の平和と安定が来るとすればそれこそ「第二のロシア革命」が達成された後かも
知れない。
ただスターリン主義的残党「ロシア共産党」は分裂してしまったがー。