投稿する トップページ ヘルプ 今、ベトナム戦争終了後の大手全国紙の連載記事を思い出している。そこに元「南ベトナム解放民族戦線」の将校へのインタビューがあった。
日本人記者の質問「あなたはあの強大なアメリカ軍と戦っていて、恐ろしくなかったのか？」
元将校の回答「恐ろしかった。とても恐ろしくて気を失いそうになったこともある。しかし、敵に対する憎しみが恐怖心を上回った」
私は昭和３０年代の生まれで、父親も従軍経験がない（空襲は経験している）世代である。ベトナム戦争の生々しい映像は、子ども心に強烈であったし、アメリカ軍を南シナ海に追い落としたベトナム民族というものに大変な関心をもった。「解放の戦いは絶対に勝利する」とも考えた。したがって、この記事を読んだとき意外な感想を持ったのである。
なぜなら、私はベトナム人民は「民族の独立のため」また「社会主義の勝利を信じて」戦ったと勘違いしていた。要するに、建前の奇麗事を信じていた。人間は「奇麗事」のために自らの肉体を死の危険に晒せるものではない、そんな当たり前のことが、この記事を読んですんなり理解できた。その後、解放戦線や北ベトナム軍が「対米協力者」の民間人に相当なテロ攻撃を行っていたことも知った。だからこそ、彼らは勝ったのである。テロはアメリカ軍やその傀儡であった南ベトナム政府軍も大々的に行っていた。強者との闘争とは、そこまで冷酷なものなのである。天邪鬼氏は、しっかり事の本質を説明してくださったと思う。
さて現在、わが国では「地方の時代」「地球にやさしく」などと叫ばれている。火のないところに煙は立たないので、何も意味がないわけではないであろう。しかし、富は東京に集中すると共に、高齢者に集中している。「地球にやさしい」はずの企業が、若者を使い捨てにする、それを正社員の労働者は「自分は社員だから」と冷たく見捨て、労組もますます「正社員の利権擁護」に走る。しかし、建前は「労働運動」である。
そもそも戦後民主主義は、いったい「誰のための民主主義」を作り出したのか？ 一部の大手企業に勤める労働貴族や公務員だけが美味しい思いをする社会ではないのか？ 私はエリートを否定しない。彼らがどれほどハードな仕事をしているか、毎日どれほど努力しているか、かつて見ているからである。しかし、一流大企業の社員が、みな努力しているわけではない。公務員に至っては、言わずもがなである。
おそらく「戦後民主主義」の建前は、日本全体の建前であって、日本共産党もまた「戦後民主主義の大きな建前」のなかに含まれる「小さな民主主義の建前」を必死で守ったに過ぎないのであろう。建前のなかで生きる人は、ついには建前と現実の区別がつかなくなり、自分の首を絞めることになる。旧日本軍の崩壊への道筋が、いかに不破・志位・市田執行部の崩壊過程に似ているか、それで本が一冊書ける（売れないが）。
話題が変わるが、知人が「9.11」に関する集まりに参加した。彼は「３年前の9.11同時テロがアメリカの自作自演であることを確信した」と私に告げた。私は一瞬、何を言われているのか理解できなかった。本日、テレビ朝日系列の番組を見て意味がわかった。たしかに３年前、国防総省の現場から負傷者が運ばれる映像も、別の場所で墜落した旅客機の機体映像も見たことはない。当時も何か腑に落ちなかった。ほぼ確実に、アメリカの石油産業と軍需産業は、自らの利益のためにあれだけの自国民を殺したのである。そして、ブッシュ再選がほぼ確実視されている。
南ロシアのテロ事件は、生還した人質の証言から、犯人グループが最初から人質と共に死ぬ目的だったことが見える。しかし、ロシア当局が発表したところでは「犯人の一人が子どもを人質にすることに反対し、リーダーに殺された」という。本当の話であれば、犯人グループが綿密に計画を立てたのかどうか疑わしくなる。それとも、どうせ死ぬのだから「そんなメンバー」も数のうちで連れて行ったのか？
また、NHKのモスクワ支局長が色をなして「ロシア治安組織の無能」を非難していたのが、気になった。旧KGBの流れをくむ連邦保安局が、それほど無能だろうか？ 無能を装ったのではないのか？ さらにロシアの治安関係者がアメリカのFBIで訓練を受けているという事実も報道されていた。うがった見方をすると、米ロの「冷戦時代の両雄」がイスラム原理主義という「巨大で凶悪な敵」を得て被害者を装い、両国の軍需産業と石油産業を富ませるために「後ろから原理主義を操っている」可能性もある。ブッシュ政権もプーチン政権も石油企業との関係が深い。何があっても不思議ではない。・・それにしても、白人というのはタフである。こんな連中に「平和と民主主義」を説いても、その前に特殊部隊に消されるか？